メイ英国首相を迎え、「日英ビジネスフォーラム」開催

2017年8月

日英パートナーシップの重要性を強調

ジェトロは2017年8月31日、メイ首相の訪日に合わせ、都内で日英ビジネスフォーラムを英国国際通商省とともに開催、日英の企業関係者など約200人が参加しました。

フォーラム冒頭、安倍晋三首相とテリーザ・メイ首相による挨拶に続き、ジェトロの石毛博行理事長と英国国際通商省のリアム・フォックス大臣の間で、両機関の協力覚書(MoC)が、両首相の立ち合いの下で交わされました。次いでスピーチに立ったフォックス国際通商相は、日英両国は先進国、貿易立国であり、自由貿易・自由市場を推進する点で共通するとした上で、天然資源に恵まれない両国にとっては、知識とイノベーションこそが将来にわたる経済的成功と生産性向上をもたらすと述べました。

安倍晋三首相は、日本企業にとって英国が欧州における製造・販売、研究開発などの重要拠点であるとともに、英国に約1,000拠点ある日本企業の活動は、先端技術によるイノベーション創出などを通じて広く英国経済に貢献し、英国社会を支える様々なシステムを提供している、と述べました。続いてテリーザ・メイ首相は、EU離脱後の英国と日本との貿易関係のさらなる強化に期待を示すとともに、日本との間で、貿易投資に関する作業部会や航空・宇宙・ライフサイエンス分野などでの産業政策対話の場を設けたいとの意向を示しました。また英国としては、EU離脱までは日EU・EPAの早期締結を優先させるとともに、EU離脱後には日EU・EPAの内容に基づき、日英EPAの締結を目指したいと述べました。

メイ首相によるスピーチ

日英両首相立ち合いにより、ジェトロと英国国際通商省でMoCを交換

パートナーシップとスポーツイベントを通じたイノベーションについて議論

ジェトロの石毛理事長による紹介のもと、フォーラムの基調講演に立った日立製作所の取締役会長兼代表執行役の中西宏明氏は、英国における同社の鉄道事業、ロンドンに開設された同社の研究拠点「欧州社会イノベーション協創センタ」などについて紹介しました。

パネルセッションの第1セッションでは、「パートナーシップ」をテーマに、原子力発電やソフトウエア分野の企業が、エネルギー規制環境、イノベーションとプロセス管理、イノベーションを阻害する要因などについて議論しました。また「スポーツイベント」をテーマとする第2セッションでは、IoTや製薬分野などの企業が、顔認証技術やオリンピック・パラリンピック関連で生まれたドーピング検査などのイノベーションについて紹介しました。 ジェトロの米谷光司理事と元駐日英国大使のデービッド・ライト氏の挨拶をもって、フォーラムは盛況のうちに幕を閉じました。

日英のイノベーションについて議論

ジェトロの米谷理事より閉会挨拶

「日英ビジネスフォーラム」概要

日時 2017年8月31日(木曜) 14時10分~17時00分
場所 都内
主催 英国国際通商省
共催 ジェトロ
参加者数 約200名
内容
14時10分
開会の辞
英国 国際通商大臣 リアム・フォックス氏
主賓挨拶
日本国 内閣総理大臣 安倍晋三氏
英国 首相 テリーザ・メイ氏
協力覚書(MoC)調印
英国 国際通商大臣 リアム・フォックス氏
ジェトロ理事長 石毛博行
14時25分
基調講演1
株式会社日立製作所 取締役会長 代表執行役 中西宏明氏
14時35分
パネルディスカッション1
日英のパートナーシップが創り出す新たなビジネスと価値
パネリスト(4名)
  1. 英国ケンブリッジコンサルタンツ社
    戦略的イノベーション責任者 エイジェイ・バン・ボクホーベン氏
  2. 丸紅株式会社
    電力・プラントグループCEO 柿木真澄氏
  3. 英国キャベンディッシュ・ニュークリアー社
    チーフ・エグゼクティブ サイモン・ボーウェン氏
  4. インフォテリア株式会社
    代表取締役社長/CEO 平野洋一郎氏
15時40分
基調講演2
秋山里奈氏(2012ロンドンパラリンピック100m背泳ぎ金メダリスト
パネルディスカッション2
グローバル・スポーツ・イベントから生まれるイノベーション
パネリスト(3名)
  1. 日本電気株式会社 代表取締役会長 遠藤信博氏
  2. グラクソ・スミスクライン株式会社 代表取締役社長 菊池加奈子氏
  3. ブリティッシュ・カウンシル アーツ部長 湯浅真奈美氏
司会: 株式会社イー・ウーマン 代表取締役 佐々木かをり氏
16時45分
閉会の辞
ジェトロ理事 米谷光司
バークレーズ・インターナショナル シニアアドバイザー 元駐日英国大使 デービッド・ライト氏