フック首相、自ら日系企業との対話会を開催

2020年9月

9月7日、ハノイ市内のベトナム首相府において、グエン・スアン・フック首相とベトナム進出日系企業との対話会が開催され、ジェトロ・ハノイ、ホーチミン両事務所が出席しました。7月17日、ジェトロが事務局を務める「海外サプライチェーン多元化等支援事業」の採択企業30社のうち、15社がベトナム案件となりました。ベトナム経済の回復に向け、日本からの投資に対するベトナム政府の期待は高く、フック首相自らによる対話会が実現しました。日本側は、企業代表者ら約70人が参加し、投資環境改善に向けた要望を出しました。ベトナム側は、フック首相のほか、マイ・ティエン・ズン官房長官、チャン・ホン・ハ天然資源環境相と、計画投資省、外務省、財務省など11省庁の副大臣級が参加し、日系企業の声に耳を傾けました。

本対話会の開催にあたり、ジェトロは「海外サプライチェーン多元化等支援事業」に係る事務局として15社のベトナム政府に対する要望を取りまとめる役割を担いました。中島丈雄ジェトロ・ハノイ事務所長からは、同事業採択15社について、(1)逆風の下での拡張投資であること、(2)日本企業のサプライチェーン多元化にとってベトナムが不可欠の存在であること、(3)15社が生産するのは高付加価値、次世代の製品であることを述べました。また15社が直面する課題とベトナム政府への要望として、(1)人材不足・人件費の高騰、(2)法や規則の運用が窓口によって異なる、不透明、(3)現地調達率の低さの3点についてお伝えしました。
これらの要望に対して、フック首相は「日系企業の成功はわれわれの成功でもある」と述べ、ベトナム政府として課題解決を支援すると表明しました。

対話会の最後にジェトロは、ベトナム計画投資省外国投資庁(FIA)と協力覚書を締結しました。この中で、FIAは、海外サプライチェーン多元化等支援事業の対象となる日本企業に対し、「関係省庁および地方省と連携し、円滑な投資手続きのための支援を行う」ことを約束しました。

対話会の様子

ベトナム外国投資庁とジェトロの協力覚書締結の様子

フック首相と採択企業15社