第12回 ASEAN事務総長とASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)との対話について

2019年07月18日

ASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)および日本貿易振興機構(ジェトロ)は、第12回目となる表記対話を、タイ・パタヤ市(6月12日(水曜))、インドネシア・ジャカルタ市(7月17日(水曜))の2つのセッションに分けて開催しました。今次対話では、「『別格』なビジネス環境地域へ ―産業高度化でASEAN市民が果実を得るための提案―」というテーマを掲げ、「貿易円滑化」、「労務環境・産業人材育成」、「データガバナンス」の3本を柱として提言を行いました(提言内容は添付資料のとおり)。

今年のASEAN議長国のタイは、主要アジェンダとして第4次産業革命への対応を挙げ、またASEAN主要国では「インダストリー4.0」型産業政策を導入するなど、デジタル技術の活用を中心にした産業高度化はASEAN各国共通の課題となっています。パタヤ市で開催された第1セッションでは、ASEAN事務局の経済共同体担当副総長以下、それぞれの柱の担当者に対し、ASEANの現状に即した産業高度化のあり方や、産業高度化をけん引するような優れた企業を誘致する上での、徹底したビジネス環境の改善の必要性を提起しました。

続いてジャカルタ市のASEAN事務局で開催した第2セッションでは、リム・ジョクホイASEAN事務総長に対し、仲野FJCCIA議長(バンコク日本人商工会議所会頭)より直接これら提案の要点を伝えるとともに、ジェトロからは提案を実現するため、(1)ブロックチェーン技術を用いたASEANシングルウィンドウ(ASW)の高度化支援、(2)インダストリー4.0を導入するにあたっての産業人材の需給調査、(3)アジア・オセアニア地域のアンケート調査を活用した、デジタル技術の導入実態調査、の3つの協力を行うことを提起しました。それに対し、ASEAN事務総長からは、それら提案がASEANの優先取り組み事項に沿った時宜を得たものであるとした上で、ASEAN域内に「現場」を有するFJCCIAの提言を引き続き重視したいとのコメントを得ました。

FJCCIAはASEAN9カ国の日本人商工会議所会員により構成され、2019年5月現在の会員数は7,394社に達する、域内最大の連合組織です。本対話は2008年に開始され、ASEAN事務総長に対し、在ASEAN日系産業界およびジェトロが、直接提言を行う場として機能しています。ジェトロおよびFJCCIAは引き続き、当該地域の日系企業のビジネス環境を改善するためにASEAN事務局と連携していきます。

仲野FJCCIA議長(左)からリムASEAN事務総長(右)に対して提言書を手交

ASEAN事務局、FJCCIA関係者による集合写真

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