ジェトロ 2023年度 海外進出日系企業実態調査（アフリカ編）

2023年12月21日

ジェトロは2023年9月、アフリカ21カ国（回答は20カ国）に進出する日系企業に対し、現地での活動実態に関するアンケート調査を実施しました。その結果を以下のとおり発表します。

調査結果のポイント

営業利益は回復、今後も成長市場として期待
―投資環境の改善、現地調達率の拡大等が課題―

1．営業利益見通し
  • 2023年は58.4％が「黒字」と回答、過去4年間で最も高い。国別では南アフリカ、エジプトが特に好調。2024年もモロッコ、ガーナで「改善」を見込む回答が多い。現地の需要増に加え、販売体制の強化などの企業努力が背景。
2．今後の事業展開
  • 輸出先も含め需要増を見込み、半数強が今後1～2年は事業を「拡大」すると回答。販売強化、新規開発、サービス拡充等を通じて需要を取り込もうとする姿が見られる。現地調達率は37.2％に留まり、アジアに比べると低水準。
3．雇用環境
  • 人材不足の「課題がある」との回答は4割強。この1年の雇用環境が「改善した」と答えた割合はケニアが高く、現地従業員数の今後の雇用見込みでもケニアで「増加予定」と回答した割合が高い。
4．投資環境
  • 投資環境は「改善していない」との回答が前回から増加。外貨不足が深刻なケニア、エジプト、ナイジェリア、ガーナ、モザンビークでは課題として「財政・金融・為替面」が多い。FTA/関税同盟の利用の関心度合いは低下。
5．有望ビジネス分野・注目国
  • 拡大する人口を背景に、半数近くが有望分野として「消費市場」と回答。「新産業」では「EV」が減少し「スマート農業」が最多に。注目国は前回に引き続き、ケニアがトップ、ナイジェリアが2番目に浮上。

本調査について

実施方法 アンケート調査（オンライン配布・回収）
実施時期 2023年（令和5年）9月4日～9月27日
アンケート送付先 アフリカ21カ国に拠点を有する日系企業286社。
有効回答数 20カ国、235社より有効回答（有効回答率82.2％）。
（内訳：モロッコ18社、エジプト29社、アルジェリア6社、チュニジア1社、ナイジェリア22社、ガーナ12社、コートジボワール10社、セネガル12社、ケニア43社、タンザニア3社、エチオピア5社、ウガンダ2社、ルワンダ2社、南アフリカ共和国52社、モザンビーク9社、ザンビア1社、アンゴラ2社、マダガスカル4社、モーリシャス1社、エスワティニ1社）
設問項目 1.営業利益見通し　2.今後の事業展開　3. 雇用環境 4.投資環境　5.有望ビジネス分野・注目国

2023年度 海外進出日系企業実態調査（アフリカ編）PDFファイル(2.4MB)

ジェトロ調査部（担当：松村、井澤）
Tel：03-3582-5180