革新のヒントは海外にあり ‐オープンイノベーションで課題解決‐

2020年02月06日

社外の技術やノウハウを取り入れ、新たなビジネスを生み出す「オープンイノベーション」。今、海外のスタートアップとの連携も進んでいる。福岡では、運転手不足のなか、路線の効率的な運用を課題とするバス事業者が、カナダ企業のシステムを活用したオンデマンドバスの運行を始めている。一方、電力・交通などの重要インフラのシステムを守るため、サイバーセキュリティーに強みを持つイスラエル発のスタートアップと連携する日本企業も。海外の先進的な企業と組んで、それぞれの課題を解決し、ビジネスの領域を広げようとする取り組みを取材した。

(10分00秒)

※本番組は英語版(字幕)でもご覧いただけます。

テキスト解説を読む

テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。 薄い青を基調としたコンピューターグラフィックスの背景画。 世界地図の上で回転する、中が空洞になった地球儀から、もうひとつ地球儀が飛び出す。 拡大表示された地球儀の横にタイトルが現れる。 「世界は今ジェトログローバルアイ」

映像説明: スタジオ。 地球儀と世界地図の画像をバックに、女性キャスターが入ってくる。クリーム色(いろ)のブラウスに濃いピンクのスカート姿。

テロップ: 八木 ひとみ(やぎ ひとみ)

八木(やぎ)キャスター: 世界は今ジェトログローバルアイ。 「オープンイノベーション」という言葉をご存知でしょうか? 企業が外部の技術やノウハウを取り入れ、新たな製品やサービスを生むことです。特に今、活発になっているのが海外のスタートアップと連携する動きです。その現状を取材しました。

テロップ: 革新のヒントは海外にあり ‐オープンイノベーションで課題解決‐

映像説明: 高層のマンションが建ち並ぶ市街地。手前には白壁の2階建ての建物があり、窓には「クリニック」の文字がある。数台の乗用車やバスが行きかう片側1車線の道路をワンボックスカーが走ってくる。茶色の防護柵の切れ目で一時停止したあとで左折し、幅の広い歩道を横断して、グレーのマンションのアプローチを、奥へと入っていく。ワンボックスカーの水色と黒のラインが入った白の車体には、フロント部分や側面に「02」の番号があり、運転席のドアには、青の文字で「Nishitetsu」と書かれ、Nの文字の上に黄色(きいろ)で、下は赤でアクセントをつけたマークが入っている。ボディーの側面には「のるーと02」と書かれ、カーブをつけて書かれた長音の部分に目がついて、笑顔のイラストになっている。黒く塗装されたバックドアには白の文字で「KNOWROUTE(ノウルート)」と「02」と描かれている。

テロップ: 福岡市

ナレーション: まずは、交通インフラの新しい取り組み。福岡市のアイランドシティ地区。近年、住宅地としての開発も進んでいるこの地域にワンボックスカーが走っている。

映像説明: グレーのマンションのアプローチ。奥から車体の側面に“のるーと”と書かれた白いワンボックスカーが出てきて、歩道の手前で一時停止する。

ナレーション: 一見すると、普通の車のように見えるが、実は違う。

映像説明: ロータリー。フロント部分に「04」と書かれた白いワンボックスカーが、カーブを描いて走ってくる。ロータリーの奥には、コンクリートの柱とはりのみの吹き抜けの壁に囲まれた低層の建物があり、右手には茶色いビルと、そのビルの前に屋根のついたバス停がある。ロータリーの内側のスペースには、「Nishitetsu」のマークが入った白いバスが停車しており、正面上部の電光掲示板に「千早駅」と表示されている。

テロップ: オンデマンドバス のるーと

ナレーション: これは、AI(エーアイ)を使った、オンデマンドバスと呼ばれるもの。

映像説明: 停車している“のるーと”。助手席のドアには、「Nishitetsu」のロゴがついており、運転席には、帽子をかぶった運転手が座っている。後部座席のスライドドアには、ワンボックスカーの形の枠の中に“のるーと”と書かれたマークが描かれている。ドアがゆっくりと開き、中から黒のスーツを着て青いかばんを持った男性が、腰をかがめながら降りていく。

ナレーション: バス停に止まるのではなく、アプリで呼び出し、走行エリア内なら好きなポイントで乗り降りができる。

映像説明: スマートフォンのアプリの画面。地図の下のテキストボックスに「どこに行きますか?」と書かれている。スマートフォンの画面を親指と人差し指でつまむようになぞってピンチインすると、地図が縮小されて広い範囲が表示される。一部の区域が青い線で囲まれていて、その中で乗車場所を示す青い点が点滅しており、そこから水紋(すいもん)が広がるような線が表示される。 アプリの別の画面。地図に乗車場所を示す青い点が表示されていて、その周囲には薄い水色の円がある。地図の下には、降車場所への到着見込み時間や料金の「200円」などの情報が示されている。画面下部の「配車を確定する 2分後にバスが出発します」と書かれた青いボタンをタップすると、地図の表示が広範囲に変わり、地図の下に「バスを手配中です…」の文字が現れる。 アプリの画面。「バスはおよそ2分で到着します」という青い文字の下に「西鉄 のるーと 1号車」 「降車場所到着予定:12:57(12時57分) (遅くとも13:07(13時7分)頃には到着)」と表示されている。 小雨の中を走行中の“のるーと”の車内。運転手が、黒っぽい制帽と制服姿でハンドルを握る。画面右下の四角い枠内にアイランドシティの地図。福岡市北部の博多湾に浮かぶ島、アイランドシティは、北側と南側、それぞれに架かっている橋で本土とつながっている。橋を渡った南側にイオンモール香椎浜があり、さらに千早駅が位置していて、それぞれオレンジ色(いろ)の丸印で示されている。

ナレーション: 乗り方は簡単! アプリをインストールしておき、自分の乗りたい場所と降りたい場所を登録するだけ。すると、何分後に迎えに来るという情報が出てくる。

映像説明: 小雨が降るなか、道路脇に停車中の“のるーと”の車内。運転席の左側にはモニターのような機器が3台並び、バックミラーにはドライブレコーダーが取り付けてある。フロントガラスの向こうに緩くカーブを描く道路が見える。黒いコートを着てマフラーを巻き、キャリーバッグを引いた男性が、傘もささずに路肩を歩いてくる。雨に濡れたレンガづくりの広い歩道には街路樹が植えられ、歩道沿いに建つ建物を囲む低い石垣の上には2mほどの高さの緑の木々(きぎ)がうっそうと茂っている。

ナレーション: 走行エリアは、アイランドシティ地区とイオンモール香椎浜、千早駅のあいだだ。ふだんから利用しているという乗客は、こう語る。

映像説明: 走行中の“のるーと”の車内。黒いコートを着てマフラーを巻いた男性が、薄いグレーの座席に座ってインタビューに答える。

テロップ: 利用者

利用者の男性: すごいあの、便利でいいです。あの、家の目の前まできてくれますし、あの、こういう雨の日なんかは、あのー、ほとんどぬれずに、あのー、動けるので。 千早駅からバスの時間があんまりなくて、えー、というときとか、 家族と出かけて2人までだったら、(タクシーより)“のるーと”の方が安いので、“のるーと”使ったりとか。

映像説明: 橋を渡る“のるーと”の車内。雨粒がついた窓の外には、2車線の対向車線と1段高くなった歩道がある。海沿いに高架道路が建設されており、高架の上には何台ものクレーンが空に向かって首を伸ばしている。橋を渡った先には赤茶色と白のマンションやグレーのビルが密集して建っていて、反対車線には車が途切れることなく走っている。 バックミラーに映る運転手の目。真剣な表情で左右に視線を走らせる。

ナレーション: 200円から400円で利用することができるこのバス。西日本鉄道と三菱商事が、共同で開発した。

映像説明: 細い縦じまが入った外壁の3階建ての茶色のビル。歩道とのあいだは背の低い植え込みで仕切られている。エントランス前には「05」と「03」の番号をつけた“のるーと”が2台駐車してある。 外壁の右上に、「Nishitetsu」のマークの立体看板が掲げられている。

テロップ: 西日本鉄道 アイランドシティ自動車営業所

映像説明: 白い壁のオフィス。室内奥(しつないおく)の白いブラインドが下りた窓を背に机上に低いパーティションをつけたデスクが並び、左端の席に男性が座っている。手前には、3台のデスクが横一列に並べられ、机上の低いパーティションを挟んで、向かい合わせに3台のデスクが並べられている。手前側の列には、袖口に細い白のラインが入った黒い制服姿の男性が3人座り、手元に置いた書類とノートパソコンの画面を交互に見ながら操作している。 袖口に細い白のラインが入った黒い制服姿の2人の男性がノートパソコンを見つめている。2人の左前方には大小のキャビネットが並んでいる。壁際にある背の高いキャビネットの上には、額が10個以上飾られている。

テロップ: 運転手不足(うんてんしゅぶそく) 赤字路線

ナレーション: 福岡を中心にバスや鉄道など公共交通を運営している西日本鉄道(にしにっぽんてつどう)は、バスの運行について、運転手不足(うんてんしゅぶそく)と赤字路線という2つの大きな課題を抱えていた。

映像説明: 2台のノートパソコンを操作する男性。右側には、アイランドシティと南側の本土周辺の地図が表示されている。

ナレーション: そこで開発したのが、AI(エーアイ)を使った新しい運行サービスだ。

映像説明: 木目調の天板のデスクが置かれた部屋。大きなガラスがはめ込まれた窓に、ところどころ白いロールスクリーンが下ろされている。窓の外は薄暗く、隣のビルの窓には明かりがついている。さまざまな高さのデスクには大きなモニターが置かれ、赤いニットキャップをかぶり、ブルーのシャツを着た男性や白いヘッドフォンをつけた女性など10名ほどが作業をしている。

テロップ: Spare Labs(スペア ラボ)

映像説明: 濃いグレーのシャツを着た男性が、スタンディングデスクに置かれたモニターとノートパソコンに向かい、立ったまま作業をしている。左隣にいるモスグリーンのセーターを着た女性や、向かい側にいる白とグレーのボーダーのセーターを着た男性は、モニターとノートパソコンを置いた一般的な高さのデスクを前に椅子に座って作業をしている。

ナレーション: このサービスを開発するにあたって国内外からパートナーを探した。選んだのは、カナダのスタートアップ、スペアラボ。

映像説明: 市街地の道路。車体のフロント部分に「01」と書かれた“のるーと”が、時折ワイパーを動かしながら走ってくる。 赤信号で停車中の“のるーと”の車内。信号が青に変わると、黒っぽい制帽と制服姿の運転手が左右を確認しながら、見通しの良い十字路をゆっくりと進んでいく。

ナレーション: スペアラボは、AI(エーアイ)を使った運行(うんこう)システムを持っていた。それは、利用者と目的地の位置情報から、AI(エーアイ)が最適なルートを割り出す。途中で新たな利用者が追加されても、リアルタイムで情報を処理し、効率的なルートを選択する。

映像説明: 片道3車線の広い車道を走る“のるーと”のフロントガラスから見える風景。車通りが多く、どの車線も車の流れが絶えない。右側には白い大型マンションが建ち並び、左側にある歩道の向こうには車道に沿って高架道路がある。 運転席の後ろに設置された液晶画面。ランドセルを背負った少年とエプロン姿の女性が電話で話しているイラストが映し出される。女性の吹き出しには「のるーと予約したから、それで帰ってきて!」、男の子の吹き出しには「わかった!」と書かれており、下に「※予約番号・号車・ミーティングポイントをお伝えください。」と表示されている。車道を走る“のるーと”が道路と交差して走る高架道路の下にさしかかる。

ナレーション: そのシステムが、効率の良い公共交通の運営につながると考え、組むことを決めた。

映像説明: ピンクや青、グレーで描かれた抽象画が壁に掛けられた部屋。木目調のテーブルの前に、上部にカメラを取り付けたモニターが置かれ、画面に映る3人の男性たちを2人の男性が見ている。画面の中で、黒の半袖シャツを着た男性とブロンドヘアの男性のあいだに座る黒いダウンジャケットを羽織った男性が身ぶりを交えて話をする。 木目調のテーブルに白いワイシャツ姿の3人の男性が座り、それぞれの男性の前にノートパソコンとノートなどが置かれている。奥に座る眼鏡を掛けた男性がモニターのほうに向かって口を開く。隣に座る男性が小さくうなずく。 モニターに映る3人の男性と木目調のテーブルを囲む白いワイシャツ姿の3人の男性が会話を続ける。 眼鏡を掛けた男性の向かいに座る腕時計をつけた男性が、モニターに向かって話し始める。(映像提供 三菱商事)

ナレーション: 今回、スペアラボと組んだことで、無駄なく人員を配置することができるようになったという。

映像説明: 細い縦じまが入った茶色のビルの前。スライドドアの窓に「05」と書かれた“のるーと”の前で、黒のスーツに赤いネクタイを着けた男性が身ぶり手ぶり(みぶりてぶり)を交えてインタビューに答える。

テロップ: 西日本鉄道 未来モビリティ部 日髙 悟(ひだか さとる) 課長

日髙(ひだか)課長: 運用がすごく効率的にできるってことですね。 配車の予約をいただいて、えー、それをドライバーに指示するまでが、 全部もう、AI(エーアイ)というかパソコンが、コンピューターがやってくれますので、運行管理がもう必要ないということですね。

映像説明: 薄いグレーの座席が並ぶ“のるーと”の後部座席。運転席側に2人掛け(ふたりがけ)の席が3列、通路を挟んで助手席側には1人掛け(ひとりがけ)の席が2列、合わせて8席用意されている。窓のうえや乗降口(じょうこうぐち)に、オレンジ色(いろ)の持ち手(もちて)がついている。運転席の後ろの席に、白の水玉がついた青いネクタイを締め、紺のスーツを着た男性が横向きに腰掛けている。 白の水玉模様が入った青いネクタイを締めた男性が、乗降口(じょうこうぐち)に取り付けられたオレンジ色(いろ)の手すりを手でなぞる。太いパイプの中央がコの字に張り出した手すりの下に、赤い消火器が置かれており、男性が手で指し示す。

ナレーション: また、この事業を共同で行なってきた三菱商事は、スペアラボの実績を評価したと話す。

映像説明: 運転席の後ろの席で、白の水玉模様が入った青いネクタイを締めた男性がインタビューに答える。

テロップ: 三菱商事 モビリティサービス事業推進室 藤岡 健裕(ふじおか たけひろ) 次長

藤岡次長: 彼らは、まずその、公共交通において、その、日本(にほん)でやる前に海外でいくつか実績がありました。 で、まずその実績が、あ、実際に、あ、われわれとしてもその公共交通を導入するうえで確かなものでございましたので、そこは安心して取り組める部分でございました。

映像説明: 西鉄千早駅前のロータリー。中央の駐車スペースにスライドドアの窓に「04」と書かれた“のるーと”が停車している。側面の窓の上に「Island City」と書かれている。

ナレーション: 海外のスタートアップとの連携で、地方の公共交通が抱える課題に対し、新たな取り組みが始まっていた。

映像説明: 細い縦じまが入った茶色のビルの前。“のるーと”のスライドドアが開けられており、黄色い縁取り(ふちどり)がある黒のステップが車体の下から突き出ている。オレンジ色(いろ)の手すりは、柵のように運転席の後ろにまで続いている。

ナレーション: しかし、去年4月から行なってきた実証運行で見えてきたこともある。

映像説明: スライドドアの窓に「05」と書かれた“のるーと”の前で、黒のスーツに赤いネクタイを着けた日髙(ひだか)課長が、笑顔を交えてインタビューに答える。

日髙(ひだか)課長: (課題は)認知向上でしょうね。こう、こういった乗り物のサービス自体が全く新しいものですから、 アプリでバスを呼ぶっていうこと自体がですね、ま、よく、パッと聞いても、よく、なんのことかよく分からないというふうにおっしゃる方(かた)がすごく多くてですね。

映像説明: 木目調のテーブルトップを載せた白い受付カウンター。赤いポインセチアのような植物の鉢が2つ置かれ、カウンターの中にはセミロングヘアーの女性が座っている。背後の黒いボードには、アルファベットのDを青で、Gを白で塗り分け、2つを組み合わせたデザインのマークの横に、白の文字で「KDDI DIGITAL GATE」と書かれている。

テロップ: KDDI

映像説明: 黒い天井に白い壁のカフェのようなスペース。広い室内に2人掛け(ふたりがけ)から6人掛け(ろくにんがけ)まで、さまざまな大きさのテーブルが置かれている。左側には木目調のパーティションに沿ってグレーのソファー席が並び、青いシャツを着た人が腰掛けて電話をしている。中央には6人掛け(ろくにんがけ)の席や卓球台が置いてある。壁際にはたくさんの2人掛け(ふたりがけ)の席が置かれ、白い壁には数人の男女が映し出された同じ内容の動画が、6つ、横に並んで投影されている。

ナレーション: 一方、海外のスタートアップに投資することで、新しいビジネスを積極的に生み出そうと取り組んでいる企業がある。通信大手のKDDIだ。

映像説明: グレーの壁の部屋。壁の端から端まで、幅の狭いラックが4段取り付けられ、1段につき20個ほどのフォトフレームスタンドのようなものがずらりと並べられている。2枚の透明な分厚い板で挟むような形で、真ん中にさまざまな会社のロゴマークが差し込まれている。 横長の長方形に2つの黒い点があるマークの下に「ハコスコ」と書かれたものや、「nanoegg」、「SPORTS BULL」などと書かれたロゴが並ぶ。

ナレーション: 投資先は、以前は北米の企業が多かったが、最近では東南アジアが増えてきている。

映像説明: フォトフレームスタンドのようなものが並ぶラックの横で、黒いトレーナーを着てひげをはやした男性が手ぶりを加えながら話をする。

テロップ: KDDI ビジネスインキュベーション推進部 中馬 和彦(ちゅうまん かずひこ) 部長

中馬(ちゅうまん)部長: 投資の方針としては、その、デジタルを使って世の中を大きく変えられるインパクトを持っている人たち。 その人たちを応援すれば、どんどんデジタルの世界が広がるってことですよね。 で、デジタルの世界が広がるってことは、通信が広がるってことなんですね。

映像説明: 木目調のテーブルの上に白いノートパソコンが置かれ、野球の左バッターボックスを後ろから見た映像が映し出される。画面上部には「撮影実績事例(日本ハムvsオリックス戦」、下には「Replay」と書かれている。ボールがバットに当たる直前で静止画像になり、カメラのアングルがバッターボックスの後ろを通り、右バッターボックス側にぐるりと回りこむ。バッターを正面から見た位置に来ると映像がコマ送りで再生される。バッターがバットを振り切ると、通常の再生スピードに戻り、バッターは1塁へ向かって走りだす。

テロップ: 4D REPLAY(フォーディー リプレイ)

映像説明: 右バッターボックスに立つ別の選手を後ろから見た映像。ボールを打つ瞬間に静止画像になり、カメラのアングルがバッターの背中のほうから左バッターボックス側へぐるりと回りこみ、バッターの正面から見た位置でコマ送りになる。振り切ったところで再生スピードが戻り、バッターが1塁に向かって駆けていく。 マウンドの映像。右ピッチャーの手からボールが離れた瞬間に静止画像になり、カメラのアングルが投手の正面を右から左にぐるりと回りこみ、再び静止画像になる。

ナレーション: こちらが、アメリカの4D(フォーディー)リプレイ。複数台のカメラで撮影した映像をもとに、短い時間で、視聴者が見たい角度の映像を作ることができる。スポーツのライブ中継での実用を進めている。

映像説明: フローリングの床と黒い壁の部屋。白い車体にライムグリーンのアクセントが施された2輪のキックボードが置かれている。ボディーに数ヵ所、「Lime」と書かれ、フレームの部分には輪切りにした緑のライムのイラストが描かれている。黒いハンドルの左には、ブレーキのようなレバーがついている。

テロップ: Lime

ナレーション: さらに、海外で普及が進んでいる、電動シェアキックボードのサービス。

映像説明: 石畳の道に駐車された黒い乗用車。ナンバープレートには、12個の黄色い星が円形に並んだEU(イーユー)のマークがついている。駐車中の車のすぐ後ろに黒いハンドルの“Lime”が2台置かれ、その近くで黒のダウンコートを着た女性がスマートフォンを操作している。 ベージュの石造りの建物が並ぶ街。道路の両側の路肩に隙間なく車やスクーターなどが駐車されている車道を、黒いコートの女性がライトをつけた“Lime”に乗ってやって来る。

ナレーション: 通信関連だけでなく、モビリティーの領域でも日本にサービスを導入しようとしている。

映像説明: 白い陳列台が置かれた部屋。「KDDI」と書かれた白いドローンと2台のノートパソコン、3台のモニターが並べられ、天井からスポットライトが当てられている。後ろの壁には大型モニターが掛けてあり、黒い画面に白い文字で「DRONE(ドローン)」の文字が映し出されている。しばらくすると青空を見上げる男性の後ろ姿の映像に切り替わる。 白い陳列台の上。ノートパソコンのあいだに、黒いケーブルでつながれたスマートフォンや、ボルトのような部品が2つ並んで置かれ、後ろのモニターにはボルトの映像が映し出されている。

ナレーション: KDDIがスタートアップと組むのは、自社の課題を解決するのではなく、事業領域を拡大することが狙いだ。

映像説明: フォトフレームが並ぶラックの横で、黒いトレーナーを着てひげをはやした中馬(ちゅうまん)部長が、手ぶりを交えて話をする。

中馬(ちゅうまん)部長: スタートアップの人っていうのは、社会を変えたいと思って始めてる起業家なんですけど、 大企業っていう、すでにこう、出来上がった世界の課題を解決しても、実は、僕は社会は変わらないと思ってるので、 そうではなくて僕らは逆に言うと、社会を変えていきたいっていう人たちを僕らが応援することで社会が変革していく。 だから僕らが主(しゅ)になっちゃうと、KDDIの限界が、全ての未来の限界になっちゃうので。

映像説明: 展示会場の外観。赤い鉄筋の骨組みのあいだに、「つながる社会 共創する未来」の文字と、青、黄、ピンクの色を重ねた背景に「CEATEC」などと書かれた巨大な布が張られている。赤い骨組みの上はドーム型の屋根が3つ連なり、骨組みの下は何本もの太いグレーの丸柱で支えられている。大勢の人々が、丸柱の奥のエントランスに入っていく。

テロップ: 10月15~(から)18日 CEATEC 2019

映像説明: 展示会場の中。グレーの鉄骨がむき出しの高い天井の下に広い空間が広がる。パーティションで区切られたさまざまなブースの上部に赤い社名ボードが貼られている。大型のブースもあり、「TOPPAN」や「TAIWAN」と書かれた看板が設置されている。手前のスペースは黒のパーティションで囲われ、カウンターとテーブルなどがあるカフェスペースになっている。

ナレーション: 去年10月、国内外のIT(アイティー)、エレクトロニクス関連分野で日本最大級(にほんさいだいきゅう)の見本市、CEATECが幕張メッセで開かれた。

映像説明: 展示会場の一角にカラフルなパーティションが並んでいる。赤、青、黄色(きいろ)に塗り分けられたパーティションには、白い文字で「Startup & University」、「JETRO Global Connection(ジェトロ グローバル コネクション)」と書かれている。それぞれのブースには展示台やモニターなどが設置され、黄色いポロシャツ姿の男性や黒いスーツ姿の女性が来場者と話をしている。奥のほうにも白と青で塗り分けられたブースが何列も立ち並び、大勢の来場者でにぎわっている。

テロップ: JETRO Global Connection(ジェトロ グローバル コネクション)

映像説明: 3つのブースが並んでいる一角。「Hailo(ハイロ)」の看板が掲げられたブースの前に眼鏡を掛けたスーツ姿の2人の男性が立っている。壁のモニターにはグラフィック映像が流され、手前の男性が展示台の上でペンを走らせる。隣のブースではカーキ色(いろ)の半そでシャツを着た男性やペパーミントグリーンのポロシャツを着た男性が展示台の上のノートパソコンに視線を落としている。 展示会場の別の一角。黒地に白い文字で「JETRO Global Connection(ジェトロ グローバル コネクション)」と書かれたTシャツを着た男性が、茶色と白のストライプのシャツを着た男性の話を聞いている。ストライプのシャツを着た男性が紙を見ながら、背後を指差す。

ナレーション: この中で、ジェトロは、オープンイノベーションの取り組みを後押しするため、海外15の国と地域から、34社が参加する出会いの場を設置した。海外のスタートアップと日本企業(にほんきぎょう)の商談をサポートするのが狙いだ。

映像説明: 「CyberX」の看板が掲げられたブースの前。大きな紺色のロールスクリーンに、「CYBERX」の文字をデザインしたロゴが大きく印刷されている。ブースでは、眼鏡を掛けた女性がスーツ姿の男性と黒いジャケットの女性に向かって話をしている。 「CyberX」のブースの中。白い看板に黒い文字で「CyberX」、「Mobility」と書かれている。看板の下にある小さな丸テーブルを囲んで、白いワイシャツに柄物のネクタイを着けた男性と、黒いスーツ姿の男性が座って話をしている。テーブルの上には白いノートパソコンが開かれている。

テロップ: CyberX

映像説明: 壁一面をモニターや機器が埋め尽くす青白い部屋。手前のデスクには紺のカットソーを着た女性が大きなモニターを前に作業をし、背中合わせで座る人もモニターに向かっている。 無数のパイプが張り巡らされた空間。細い通路の両サイドをコンピューターグラフィックスの黄色い7本のラインが奥に向かって走っていく。 オレンジ色(いろ)に加工された写真。左半分は鉄骨が組まれた工場のような建造物で「TRITON Attack」の文字が入っている。右半分は送電線が張られた鉄塔の写真で、「WannaCry & NotPetya(ノットペトヤ)」の文字が入っている。(映像提供 CyberX)

ナレーション: 参加企業の一つ、イスラエル発のセキュリティー企業、CyberXは、産業用サイバーセキュリティーのプラットフォームを販売。世界各国のインフラシステムへの導入実績がある。イスラエルは、軍で開発したセキュリティー技術を、海外へ販売することに力を入れている。

映像説明: 4階建ての薄いグレーの建物の外観。エントランスのブロンズ色(いろ)の屋根は、同じ色の4本の丸柱で支えられている。 石造りの塀の前に置かれたプレート。植え込みのあいだに御影石の台座が置かれ、赤の文字で「TOSHIBA」と書かれたロゴの下に、グレーの文字で「東芝デジタルソリューションズ株式会社」、「TOSHIBA DIGITAL SOLUTIONS CORPORATION」と書かれている。

テロップ: 東芝デジタルソリューションズ

ナレーション: ここに注目したのが、東芝デジタルソリューションズ。

映像説明: 工場のような巨大な施設の写真。高い天井のはりからは、太い支柱に大小さまざまなシルバーの円盤を何重にも重ねた、巨大なタービンロータがつり下げられている。 コンピューターグラフィックスのオフィス写真。青いカーペットが敷かれた部屋に、白いテーブルを3台並べた列が2列つくられ、赤い椅子が置かれている。各テーブルには大きなモニター3台と小さなモニター1台が置かれ、正面の壁には大きな配線図や、4分割映像を映し出すモニターなどが掲げられている。(写真提供 東芝エネルギーシステムズ)

ナレーション: 国内外のエネルギーや交通、製造といった重要インフラのシステムを扱っている。

映像説明: ガラス張りの壁から見える室内の様子。白いブラインドが下りた窓の上に大きなモニターが3台設置され、右の壁際には3分割された映像が映し出された巨大なモニターがある。白いブラインドが下りた窓のほうに向けて置かれた長机(ながづくえ)にはたくさんのモニターが並べられている。長机(ながづくえ)に並んで座る3人の男性が、それぞれの前に3台ずつ置かれたモニターを見つめている。 ガラス張りの壁から見える室内の様子。長机(ながづくえ)に2人の男性が並んで座り、手前の黒縁眼鏡を掛けた男性が真剣な表情で、自身の前に置かれたモニターを見つめている。 モニター画面。「Japan」、「Tokyo」、「Osaka(おおさか)」、「N. Korea(ノース コリア)」、「S. Korea(サウス コリア)」、「Beijing」、「Shanghai」の文字がある、東アジア地域の地図が映し出される。日本の地図は、関東から中部地方を囲むように青い円が重なって描かれている。 ガラス張りの壁から見える室内の様子。白いワイシャツを着て眼鏡を掛けた男性が、前に置かれた3つのモニターを見ながら作業をしている。 ガラス張りの壁から見える室内の様子。黒縁眼鏡の男性が、前に置かれたモニターを見ている。 白いブラインドが下りた窓のある壁で仕切られた部屋では、2人の男性が複数あるモニターの1つを見ながら話をしている。 丸い眼鏡を掛けた男性が真剣な表情でモニターを見ている。

ナレーション: 課題はセキュリティー対策。特に、この分野は、攻撃する側と守る側の、双方が常に進化し続ける。そのため、最先端の技術を持った海外のスタートアップとの連携を求めていた。そこで出会ったのがCyberXだ。現在、自社が運用するインフラシステムを世界のサイバー攻撃から守るためにCyberXと連携し、新たなセキュリティーシステムを開発している。

映像説明: ガラス張りの壁の前で黒いスーツの襟に社章(しゃしょう)を付けた男性がインタビューに答える。

テロップ: 東芝 サイバーセキュリティセンター 岡田 光司 参事

岡田参事: 制御システムのセキュリティーを、えー、対策をしていく上でも、やはり制御システムを常に監視していくっていうことをやっていかなきゃいけない。 で、そのためのセンサーが必要なんですね。で、そのセンサーの技術として、ま、イスラエルで、えー、われわれが、えー、いいなと思ったのが、このCyberXだったんですね。

映像説明: 中央に白いテーブルが置かれたグレーの壁の部屋。紺のスーツに、紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿の男性と、紺のピンストライプのスーツに紫のネクタイ姿の男性が、部屋の壁に掛けられたモニターの前で笑顔で握手をし、言葉を交わす。モニターにはCyberXと東芝のロゴと、「Q1‐20 Business plan」などの文字が映し出されている。

ナレーション: 東芝とCyberX、今年最初のミーティングが行われた。

映像説明: 向かい合ってテーブルに座る紺のスーツに、紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿の男性と、紺のピンストライプのスーツに紫のネクタイ姿が、壁に掛けられたモニターに映し出された資料を見ながら話をする。 紺のピンストライプのスーツに紫のネクタイ姿の男性がノートパソコンを開き、壁に掛けられたモニターと紺のスーツに、紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿の男性の方を交互に見ながら話を続ける。

ナレーション: 議題は、今後の目標や事業の進捗に関してだ。

映像説明: 紺のスーツに、紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿の男性が壁に掛けられたモニターを見つめ、深くうなずく。

ナレーション: CyberXの責任者は、日本の大手企業と組んだ理由について、このように語る。

映像説明: 壁に掛けられた、CyberXと東芝のロゴが並んで映し出されたモニターの前で、紺のスーツに、紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿の男性がインタビューに答える。 紺のピンストライプのスーツに紫のネクタイ姿の男性が話をしている。隣には、やや明るい紺のスーツにえんじ色(いろ)のネクタイ姿の男性と、スーツの襟に社章(しゃしょう)を付けた岡田参事が並んで座っている。 壁に掛けられたモニターに「Sales Plan 2(セールス プラン ツー)」と書かれた資料が映し出され、紺のスーツに紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿の男性がモニターの資料を見ながら、話を聞いてうなずく。 紺のスーツに白い水玉模様の入った紺のネクタイ姿の男性が向かいに座る3人に視線を配りながら笑顔で話をする。 壁に掛けられたモニターには、東芝の3人の人物の写真が入った資料が映し出されている。 紺のピンストライプのスーツに紫のネクタイ姿の男性と、紺のスーツに紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿の男性が固い握手を交わす。 CyberXと東芝のロゴが並んで映し出された壁に掛けられたモニターの前で、紺のスーツに紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿の男性が話を続ける。

テロップ: CyberX バック・ワティア 副社長

ワティア副社長・英語: 日本は世界最大の経済大国の1つであり、多くの国が日本の製品とサービスに頼っている。 日本のセキュリティーを守るために積極的に取り組みたかった。 東芝は、日本経済や技術と密接な関わりを持っている。 この国の重要インフラを運営する企業をサポートしているため、連携することにした。

映像説明: 紺のスーツに紺地に白い水玉模様の入ったネクタイ姿のワティア副社長が、壁に掛けられたモニターのほうを手で差して話をする。向かい側に座る、やや明るい紺のスーツにえんじのネクタイ姿の男性が岡田参事に向かって話しかける。 スーツの襟に社章(しゃしょう)を付けた岡田参事が身ぶり手ぶりを交え、にこやかに話をする。 やや明るい紺のスーツにえんじのネクタイ姿の男性が手を動かしながら熱心な様子で話をする。

ナレーション: 海外のスタートアップとの協業で新しい領域を切り開き、事業の拡大を図る。オープンイノベーションでビジネスが加速していく。

スタジオの八木(やぎ)キャスター: オープンイノベーションは想像以上に広がっているんですね。社外との連携にはハードルもありますが、乗り越えて得られるものも大きいようです。海外の先進的な取り組みと日本の企業の強みを生かして、新たなビジネスが生まれていくことを期待します。

映像説明: 八木(やぎ)キャスターがお辞儀をする。

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