台湾食品市場へ挑戦! 蒸しだこ・ヤシオマス・べっこう飴の評価は?

2023年09月21日

台湾当局は、東日本大震災以降、福島県と関東4県(群馬、千葉、栃木、茨城)の農水産物の輸入を停止。しかし、2022年2月に規制が緩和されたことで、5県産の農水産物を台湾へ輸出することが可能になった。これをチャンスと捉え、初めて台湾食品市場へ打って出る日本企業の動きを追った。

(13分08秒)

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テキスト解説:視覚障害のある方のための文字おこしテキストです。

映像説明: 全面ガラス張りの超高層ビル「台北101(タイペイ いちまるいち)」。先端のとがった部分が天をつくように伸びている。上層階部分のアップからズームアウトすると、周りに広がる町並みが見える。

テロップ: 台湾

テロップ: 福島 群馬 千葉 栃木 茨城からの 輸入停止

ナレーション: 台湾当局は、東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)以降、福島と関東4県からの農水産物の輸入を停止していた。

映像説明: 町なかの大通り。片側4車線ほどの広い道路を車やバイクが絶え間なく走っていく。

テロップ: 2022年2月 規制が緩和

ナレーション: しかし、2022年2月に規制が緩和。

映像説明: イベント会場。赤地に白抜きで「JAPAN」と書かれた立て看板を設置したブースが並んでいる。通路を多くの来場者が歩いている。 来場者と談笑したり、資料を見せながら説明したりする出展者の姿が次々に映る。

テロップ: 台湾食品市場に 挑戦する企業が続出!

ナレーション: これを機に、台湾への輸出を再開する企業はもちろん、台湾の食品市場に、初挑戦する企業も!

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋。白いシャツを着た短髪の日本人男性(にほんじんだんせい)がインタビューに答える。

白いシャツを着た短髪の日本人男性(にほんじんだんせい): ようやく、そのスタート位置に立てる、あのー、タイミングが来たなあというところで。

映像説明: イベント会場。ブースの前で、黒髪のロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)がインタビューに答える。

黒髪のロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい): 予想していたよりも関心度が高い。

映像説明: 小売店のお菓子売り場。前髪を分けたロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)が、商品棚に並んださまざまなキャンディーの袋を指さしながらインタビューに答える。

前髪を分けたロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい): やっぱ日本(にほん)のものも多いですね。

映像説明: 冷蔵ショーケース内。真空パックのタコが並んでいる。パッケージには、日本語で「蒸しだこ」、英文字で「Made in Japan」と書かれている。 金色の丸皿(まるざら)に盛りつけられた刺身。サーモンピンク色の艶のある断面が光を受けて輝いている。 透明な台の上に並べられた個包装のアメ。黄金色(こがねいろ)で、ウサギやゾウの形をしている。 数種類のアメの袋を並べて展示したテーブル。赤や黄色(きいろ)、緑色(みどりいろ)などカラフルなパッケージが目を引く。

テロップ: 台湾食品市場へ挑戦! 蒸しだこ・ヤシオマス・べっこう飴の評価は?

ナレーション: 輸入規制の緩和後をチャンスと捉え、台湾食品市場へ打って出る日本企業(にほんきぎょう)の動きを追った。

映像説明: ジェトログローバルアイオープニングタイトル。各国のさまざまな人々の笑顔や、農作物(のうさくぶつ)を収穫している様子、ガントリークレーンが並んでいる港、緑色(みどりいろ)の仏像、小型飛行機や新幹線、バイクなどの乗り物や生き物など、世界中のいろいろな写真が現れて白い画面を埋めていく。連なった写真に重なるように世界地図の CGが浮かび上がり、中央に紺色の文字で「世界は今 JETRO Global Eye(ジェトロ グローバル アイ)」と書かれたタイトルテロップが表示される。

映像説明: 工場内。真っ白な湯気を上げる銀色の大きな機械。赤く蒸し上がった大量のタコが、機械の中を流れていくのが見える。 湯気のあがる液体の中から、銀色の網の上に大量のタコが流れていく。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 震災を乗り越え 悲願の台湾食品市場への挑戦

テロップ: 蒸しだこ

ナレーション: こちらの大きな機械で製造しているのは、蒸しだこだ。

映像説明: 工場の一角。白衣(はくい)を着て白い衛生帽子をかぶった作業員が、ベルトコンベヤーで運ばれてきた蒸しだこを発泡スチロールの箱に詰めていく。

ナレーション: 国内外のタコを加工、販売している、清水商店(しみずしょうてん)。

映像説明: 青空の下に広がる海。浜辺に穏やかな波が打ち寄せる。画面左下の四角い枠に茨城県の地図が緑色(みどりいろ)で表示され、中央部の海沿いにある大洗町(おおあらいまち)の位置が赤い丸印で示されている。 海沿いの道路を挟んで、白地に赤いラインを施した外壁が印象的な建物が建っている。外壁の上部に「株式会社 清水商店」の文字が掲げられている。

テロップ: 清水商店

ナレーション: 茨城県、大洗岬(おおあらいみさき)から目と鼻の先に本社、工場を構える、明治創業の老舗水産加工業者だ。

映像説明: 地面が泥で覆われた敷地の写真。助手席と荷台のドアが開け放たれたトラックや、がれきに乗り上げた車が見える。地面のそこかしこにゴミが散乱している。

テロップ: 東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)で半壊

ナレーション: 東日本大震災(ひがしにほんだいしんさい)の際、本社工場に被害が。

映像説明: 工場内。白い衛生帽子をかぶった日本人男性(にほんじんだんせい)がインタビューに答える。

テロップ: 清水商店 清水 栄基(しみず えいき) 社長

清水社長: えーっと、この中だと、たぶん胸のあたりぐらいまで、水位は上がってますね。

映像説明: 工場内。蒸しだこが山積みになった青いコンテナや銀色の大きな機械がある。白衣(はくい)を着て白い衛生帽子をかぶった作業員たちが作業をしている。 赤く蒸し上がったタコがコンベヤーで次々と運ばれてくる。タコは、コンベヤーの端まで来ると下にある水槽の中に落ちていく。

テロップ: 約5ヶ月で工場の稼働を再開

ナレーション: 津波により、大きなダメージを受けるも、その年の8月には、工場の稼働を再開。

映像説明: ガラスショーケースに、「蒸しだこ」や「黒酢だこ(くろずだこ)」などの商品が陳列されている。 それぞれの商品の前には、英語の商品説明プレートが置かれている。

テロップ: 2016年 シンガポール

テロップ: 海外へと販路を拡大

ナレーション: その後は、国内にとどまらず、シンガポールやアメリカなどの、海外へと販路を拡大していったという。

映像説明: 清水商店のブース。黄緑色(きみどりいろ)のネックストラップを下げた人でにぎわっている。つまようじに刺した蒸しだこの試食品を手にしている人もいる。

テロップ: 売り上げの約15%が輸出

ナレーション: 今では、売り上げの、およそ15%が輸出だ。

映像説明: 工場内。ベルトコンベヤーで流れてくる蒸しだこを、白衣(はくい)を着て紫色の手袋をはめた作業員が選別している。 ベルトコンベヤーで流れてくる蒸しだこを、白衣(はくい)を着て紫色の手袋をはめた作業員のそばに立っていた白衣(はくい)を着て白い衛生帽子をかぶった清水社長が歩いてくる。 クリーム色(いろ)の壁の部屋で、清水社長が手ぶりを交えて話している。

ナレーション: 震災から10年にも及ぶ輸出規制が緩和されたことで、台湾市場へ挑戦することは、長年の悲願であると、清水社長は話す。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋で、清水社長がインタビューに答える。 展示会の映像。赤い扇子をモチーフにした看板を掲げるブースエリアで、清水社長が来場者に資料を手渡している。 クリーム色(いろ)の壁の部屋で、清水社長が話を続ける。

テロップ: 清水商店 清水 栄基(しみず えいき) 社長

清水社長: いろいろな地域の、展示会、見本市、商談会で、えー、台湾、の、バイヤーさんに、会うことも、多かったです。 「こういう商品探してたんだ」っていうお声はたくさんいただいてたんですけれども、 ようやく、そのスタート位置に立てる、うー、タイミングが来たなあというところで、えー、取り組みを始めたということです。

映像説明: 全面ガラス張りの超高層ビル「台北101(タイペイ いちまるいち)」がそびえ立つ、町の風景。 イベント会場の出入り口。ガラスドアの上部に、赤地に白抜きで「FOOD TAIPEI(フード タイペイ)」と書かれた看板が掲げられている。

テロップ: 台北(タイペイ)

テロップ: 2023年6月14~(から)17日 FOOD TAIPEI

ナレーション: 清水社長が台湾食品市場へ打って出るために選んだのは、食品関連の総合見本市「FOOD TAIPEI」。

映像説明: 会場内。各国ブースが順々に映し出される。壁にヤシの木の写真をプリントしたマレーシア企業のブースや、黄色(きいろ)と緑色(みどりいろ)を基調としたブラジル企業のブース、木目を基調としたパラグアイ企業のブース、壁に豚の写真をプリントしたイギリス企業のブース。

テロップ: 出展企業 世界29の国・地域から約2,500社

ナレーション: この見本市には、マレーシアやブラジルなど、29の国や地域から、およそ2,500社の食品関連企業が参加。

映像説明: 「入口」、「出口(でぐち)」と大きく書かれた入退場口付近(にゅうたいじょうぐちふきん)の一角。通路の両側にブースが並んでいて、黒のネックストラップを下げた人々が続々と会場内に入ってくる。

テロップ: バイヤー 世界の小売りやレストランなど4万6,000人以上

ナレーション: 4万6,000人を超える、小売やレストランなどのバイヤーが来場した。

映像説明: 白地に薄紅色(うすべにいろ)の桜を共通デザインとしたブースエリア。白い和帽子をかぶり白い調理服を着た男性スタッフや黄色い法被を着た男性スタッフがいるブースに、紺色のワンピースを着た女性や黒のトップスに薄いグレーのズボンをはいた女性たちが集まっている。

テロップ: ジャパンパビリオン 主催:ジェトロ

ナレーション: 清水商店は、ジェトロが設置した、ジャパンパビリオンに出展。

映像説明: 富士山のイラストに筆文字で「蒸しだこ」と書かれたタペストリーを壁に下げた清水商店のブース。白い和帽子をかぶり白い調理服を着た男性スタッフがタコの握りずしを作る様子を、来場者の女性が食い入るように見ている。 木製のすしおけに並んだタコの握りずしと、タコの刺身が続けてアップで映る。

ナレーション: 蒸しだこの味をバイヤーたちに知ってもらうため、台湾の人たちが好む、刺身や握りずしにしてPRした。

映像説明: 清水商店のブース。冷蔵ショーケースの前で、メガネをかけて黒いカチューシャを着けた女性が、白いTシャツを着た女性と熱心に話している姿を、清水社長が真剣なまなざしで見つめる。

ナレーション: こちらの、食品専門商社のバイヤーは…。

映像説明: ジャパンパビリオンのブースの前で、メガネをかけて黒いカチューシャを着けた女性がインタビューに答える。

テロップ: バイヤー

バイヤー・中国語: 鮮度が高く、新鮮さをよく感じました。 生(なま)の魚やタコにあるような臭みもなく、肉質がとても柔らかく、固すぎず、食感がプリプリして、そのまま食べる食品としては良いと思います。

映像説明: サーモンの握りずしや海鮮丼(かいせんどん)などの写真があるパネルを展示しているブース。黒いTシャツを着た茶色い髪の女性が、ガラスショーケースの上に置かれた試食品のタコに手を伸ばす。

ナレーション: 大手回転ずし店のバイヤーは…。

映像説明: サーモンの握りずしや海鮮丼(かいせんどん)などの写真があるパネルを展示しているブースの前で、黒いTシャツを着た茶色い髪の、大手回転ずし店の女性バイヤーがインタビューに答える。

テロップ: バイヤー

バイヤー・中国語: とても新鮮で甘みがあります。 台湾の市場(いちば)で買ったタコは、甘みが、この商品には及ばないです。 台湾の消費者には人気があると思います。

映像説明: 清水商店のブース内。筆文字で「蒸しだこ」と書かれたタペストリーの前で、清水社長がインタビューに答える。

テロップ: 清水商店 清水 栄基(しみず えいき) 社長

清水社長: 複数の、えー、スーパーマーケットさん、えー、問屋さん、日本食(にほんしょく)レストランさん、

えー、ECの業者さん、えー、また、あの西洋料理の、おー、お取引先、も、新たに開拓できました。あの、この展示会を通して、えー、お取り引きが始まる、お取引先様と、太くできるんだろうなあという、そういうふうな確信を持っております。

映像説明: 清水商店のブース。タコの握りずしを試食した男性と清水社長が談笑している。

テロップ: 果たして買い手はつくか!?

ナレーション: 評判は上々だが、果たして買い手はつくのだろうか。

映像説明: 白地に薄紅色(うすべにいろ)の桜を共通デザインとした、ジャパンパビリオンのブースエリア。法被を着た出展者や日本語で書かれたのぼりなどが見える。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 栃木県 地元企業を支援

ナレーション: 一方、ジャパンパビリオンには、企業ではなく、自治体からの出展も。

映像説明: 赤や黄色(きいろ)のパッケージのアメを展示したブース。女性スタッフらが来場者を応対していて、その様子を黒いジャケットを着てメガネをかけた男性が見ている。

ナレーション: こちらは、県内企業の輸出を支援するために出展した、栃木県のブースだ。

映像説明: 「栃木県庁」と刻まれた、栃木県の形をした石の銘板のアップ。 「栃木県庁」の石医師の銘板の後方に建つ、15階建てほどの高さの県庁舎の外観。 会議室。長机(ながづくえ)がカタカナのコの字に並べられている。机上には、飛沫防止(ひまつぼうし)のアクリル板が置かれている。マスクをつけたスーツ姿の男性が2人、向かい合う配置で長机(ながづくえ)につき、それぞれノートパソコンを開いている。 グレーのマスクをつけた男性が、手書きでメモを取っている。 ノートパソコン画面のアップ。画面には、オンライン会議の参加者たちの顔と、「業務用商品」の文字がある、ゴボウを使った商品の写真を掲載した資料が映し出されている。

テロップ: 2022年3月 宇都宮市

テロップ: 台湾バイヤーとの商談会

ナレーション: 栃木県は、2022年2月の、輸出規制緩和以降、FOOD TAIPEIへの参加やバイヤー招へい商談会などを行い、県内企業を支援してきた。

映像説明: 木目調の壁の前で、黒いジャケットを着てメガネをかけた男性がインタビューに答える。

テロップ: 栃木県 産業労働観光部 国際経済課(香港駐在員) 夘木 啓之(うき ひろゆき) 主査

夘木(うき)主査: えー、規制緩和が進んだとは言え、えー、やはり、まだ、えー、多少の規制というのは残っている状態でございます。 そういったところでですね、えー、事業者さんが、えー、迷っているような時にはですね、県の方からも、バックアップをさせていただく。

映像説明: 赤や黄色(きいろ)、緑色(みどりいろ)のパッケージのアメを展示したブース。黒いクロスを掛けたカウンターの前で、黒髪のロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)と、来場者が名刺交換をしている。そばで夘木(うき)主査がその様子を見ている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 台湾食品市場を目指す! 唯一無二 栃木県ブランド魚(ぶらんどざかな)

ナレーション: 今回、県やジェトロ栃木の支援を受けて、FOOD TAIPEIに参加した企業は2社。

映像説明: 黒髪のロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)と、茶色いノースリーブの服を着た日本人女性(にほんじんじょせい)が、黒いクロスを掛けたカウンターの後ろに立って話をしている。カウンターには試食品などがあるのが見える。

テロップ: 苅込(かりこみ)

ナレーション: そのうちの1つが、「苅込」。

映像説明: 大通り沿いに建つ薄いグレーの建物の外観。屋根には「宇都宮市中央卸売市場」の看板が立っている。看板からズームアウトすると、卸売市場への出入り口や敷地内にある建物が見え、前には広い道路が走っている。

テロップ: 宇都宮市

ナレーション: 宇都宮市中央卸売市場内に本社を構える、水産物の卸業者だ。

映像説明: 屋外の生けす。紺色のTシャツを着た男性が、柄の長い網を使って魚をすくい上げる。 体全体に黒い小さな斑点があり、えらぶたがピンク色の魚が、網の中で大きく跳ねている。

テロップ: ブランド魚(ぶらんどざかな)「ヤシオマス」

ナレーション: この企業が台湾市場に売り込もうとしているのは、栃木県が品種改良したブランド魚(ぶらんどざかな)、「ヤシオマス」。

映像説明: ヤシオマスのフィレ。鮮やかなサーモンピンク色の身を見せているものと、黒い斑点模様の皮目を見せたものが並べて置かれている。 金色の丸皿(まるざら)に盛りつけられたヤシオマスの刺身。艶のある断面が光を受けて輝いている。

ナレーション: 脂の乗りが良く、淡水魚特有の臭みがないのが特徴だという。

映像説明: 屋外の生けす。小さな水車(すいしゃ)が水しぶきをあげながら回転し、ヤシオマスが水面を跳ねている。 水中には、ヤシオマスが群れをなして泳ぐ姿が見える。

ナレーション: 台湾市場へは初挑戦。そこで思わぬ苦労があった。台湾への輸出は、食品の安全性を示す多くの書類や手続きが必要だ。

映像説明: 黒い机の上に置かれた「放射性核種測定結果報告書」と題された書類。申請者情報や放射性物質の測定方法、測定結果などが記載されている。 次に、表紙に栃木県の県章がある「ヤシオマス生産者認定証」。生産者の住所や代表者名、認定期間などが記載されている。

テロップ: 台湾へ水産物を輸出する際に必要な書類 「放射性物質検査証明書」「産地証明書」など

ナレーション: 例えば、「放射性物質検査証明書」や「産地証明書」などだ。

映像説明: 屋外。田んぼや生けすを背に、黒髪のロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)がインタビューに答える。

テロップ: 苅込 苅込 陽加(かりこみ はるか) 取締役

苅込取締役: 放射線検査の、書類を取ること、に苦労しました。 ミキサーで、サンプルをつく、自分で作って、 写真を撮って、書類を記入して、検査場に持って行って。で、その結果が出て書類が出てくるまで、約2週間ぐらいかかるんですけど。

映像説明: 白い壁の部屋。木製の魚の置物が飾られている。苅込取締役と2人の日本人男性(にほんじんだんせい)が、テーブルの上の資料を見ながら打ち合わせをしている。

テロップ: 毎回手続きが必要

ナレーション: さらに、福島と関東4県の企業は、輸出する際、毎回、書類を含めた手続きが必要なため、手間や費用がかかるのだという。

映像説明: ヤシオマスが泳ぐ生けすを見ながら、苅込取締役と2人の日本人男性(にほんじんだんせい)が話をしている。

ナレーション: こうした煩雑な手続を乗り越え、台湾食品市場へ初進出。

映像説明: FOOD TAIPEIの苅込のブース。複数の来場者と笑顔でコミュニケーションをとる苅込取締役の姿が次々と映し出される。

ナレーション: 今まで市場にはない商品とあって、連日、多くのバイヤーがブースを訪れた。

映像説明: ブース内の丸テーブルについている紺色のワンピースを着た女性の元に、苅込取締役が試食品のヤシオマスの刺身を運んでくる。 紺色のワンピースを着た女性が刺身を口に運び味わう。

ナレーション: 中には、1歩踏み込んだ商談に入るバイヤーも。

映像説明: ブース内の丸テーブルで、紺色のワンピースを着た女性がインタビューに答える。

テロップ: バイヤー

バイヤー・中国語: 今、台湾では、体に優しい食材を求める傾向があります。 この魚には、自然な甘みがある一方、 サケのような脂肪分がないので、その良さを知ってもらえば、 サケのマーケットシェアの一部を取れるかもしれません。

映像説明: 丸テーブルで苅込取締役と紺色のワンピースを着た女性が商談をしている。

ナレーション: 苅込さんも手応えを感じたようだ

映像説明: ブースを背に、苅込取締役がインタビューに答える。 苅込取締役が資料を手に持って見せながら来場者へ説明をしている。 真空パックになったヤシオマスのフィレのアップ。上に金色のフォークとスプーンが置かれている。 ブースを背に、苅込取締役が話を続ける。

テロップ: 苅込 苅込 陽加(かりこみ はるか) 取締役

苅込取締役: 「ヤシオマスは栃木県しかないんですよ」っていうふうに言うと、「あ、栃木県も魚あるんだ」っていうのを、みんな興味を持って聞いてくれる、ので、 ま、ヤシオマスで(出展して)良かったかなと思います。 予想していたよりも関心度が高い。 ですが、ま、きちんと説明をすれば、山の魚なので、あの、プラスに働く、ということも分かりました。

映像説明: 3階建ての白い外壁の建物の外観。外壁の1番上に大きく「YT」と書かれている。画面右下の四角い枠に栃木県の地図が緑色(みどりいろ)で表示され、東南部にある茂木町(もてぎまち)の位置が赤い丸で示されている。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): アメで台湾食品市場に参入! 形状&パッケージで勝負

テロップ: 野州たかむら(やしゅうたかむら)

ナレーション: 栃木県の、もう1つの参加企業は、「野州たかむら(やしゅうたかむら)」。

映像説明: 白いテーブルの上に並んだ数種類の「どうぶつべっこう飴」。外袋にライオンやウサギ、ゾウなど動物のイラストが描かれている。パッケージの色は、ゆず味は黄色(きいろ)、塩飴は水色、宇治抹茶味は緑色(みどりいろ)と、味によって異なっている。

ナレーション: アメを製造販売している企業だ。

映像説明: 「どうぶつべっこう飴」の製造工程。横1列に並んだ9個の銀色の絞り口から、とろみのある黄金色(こがねいろ)のアメ生地が、動物の形をした金型(かながた)に一定のリズムで絞り出される。 アメ生地が固まり完成した「どうぶつべっこう飴」が、ベルトコンベヤーで大量に流れていく。

ナレーション: 台湾に売り込みたいのは、動物や、だるまなどの形をした、べっこう飴を中心とした商品。

映像説明: 透明のスタンドに立てかけられた「和 べっこう飴」のパッケージ。外復路には中央に大きくデザインされた赤いだるまのおなか部分に白抜きの文字で「和 べっこう飴」などと書かれている。サイズ違いの2種類が並べて置かれている。

ナレーション: この企業にとって海外進出は、初めてのこと。

映像説明: オフィスでの打ち合わせ風景。ストライプのシャツを着たロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)と、メガネをかけた日本人男性(にほんじんだんせい)が、白い机を挟んで座っている。机には、「どうぶつべっこう飴」などの商品と、資料が広げられている。

ナレーション: しかし、こちらでも、手続きに思わぬ苦労が。

映像説明: 白い机の上に置かれた「放射性核種測定結果報告書」と題された書類。申請者情報に加えて、放射性物質の測定方法や検体採取日、放射能濃度などが細かく記されている。

ナレーション: 放射性物質検査に出すサンプルは、商品にする前の液体の材料ではなく、実際の商品でないと認められないという。

映像説明: うずまきやハート、星などの形のアメ細工が飾られた壁の前で、ストライプのシャツを着たロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)がインタビューに答える。

テロップ: 野州たかむら(やしゅうたかむら) 小崎 和江(おざき かずえ) 社長

小崎社長: できた商品、同じ商品を、えーっと砕いて、5ミリ角にしなきゃならないっていうのがあって、 それを、商品を、あのー、硬いキャンディーを砕くっていうのは、すごい大変でした。

映像説明: 製造工場。白衣(はくい)を着て白い衛生帽子をかぶった作業員が、ベルトコンベヤーで流れてくる大量の「どうぶつべっこう飴」を、1粒1粒検品している。 ベルトコンベヤーで流れてくる大量の「どうぶつべっこう飴」を、1粒1粒検品している手元の様子。

ナレーション: ぴったり5ミリ角にしなければいけないという、硬いアメには、大変苦労のかかる検査基準が設けられていたのだ。

映像説明: 白い机の上に置かれた中国語の書類。「どうぶつべっこう飴」のパッケージと7粒のアメの写真と、表組み(ひょうぐみ)で、成分や内容量、保存方法等の情報が記載されている。 書類にある表組み(ひょうぐみ)で書かれた情報内容のアップ。

ナレーション: 手続き書類も無事に受理され、いざ、台湾市場へ。

映像説明: FOOD TAIPEIの野州たかむら(やしゅうたかむら)のブース。前髪を分けたロングヘアーの日本人女性(にほんじんじょせい)が、資料を指し示しながら来場者に説明をしている。

テロップ: 台北

テロップ: 野州たかむら(やしゅうたかむら) 海外担当 小崎 由依(おざき ゆい) さん

ナレーション: 海外担当は、社長の娘の由依さん。

映像説明: エメラルドグリーン色(いろ)の壁に赤い文字で中国語で「遠東(ユァンドン)」、ローマ字で「SOGO(ソゴー)」のロゴを掲げた大きなビルの外観。

ナレーション: 台湾に到着してまずやって来たのは、大手百貨店。

映像説明: 百貨店のお菓子売り場。商品棚に並んださまざまな種類のキャンディーを見ながら、由依さんがインタビューに答える。

テロップ: 野州たかむら(やしゅうたかむら) 海外担当 小崎 由依 さん

由依さん: いくらくらいで、台湾では、キャンディーが販売されているのかを、確認しています。

映像説明: 商品棚に日本語や英語、ドイツ語のパッケージのキャンディーが並んでいる。由依さんがスマートフォンを片手にチェックをしている。

ナレーション: ここは、百貨店内に店舗を構える小売店。由依さんは、キャンディー売り場へ市場視察に来たのだ。

映像説明: 由依さんが、日本語パッケージのアメを手に取ったり、商品棚を指で示したりしながらインタビューに答える。

テロップ: 野州たかむら(やしゅうたかむら) 海外担当 小崎 由依(おざき ゆい) さん

由依さん: だいたい日本の1.5倍から2倍ぐらいの値段。 結構、日本(にほん)のものも多いですね。

映像説明: さまざまな国のキャンディーが取りそろえられた商品棚に、日本のアメも数種類並んでいる。 由依さんが商品棚に並ぶ各国のキャンディーをじっくりと観察している。

ナレーション: ここで販売している日本製(にほんせい)のアメは、日本での価格の2倍程度。自社商品のアメの形状やパッケージデザインをうまくPRできれば、台湾市場で売れる可能性を感じたという。

映像説明: FOOD TAIPEIの野州たかむら(やしゅうたかむら)のブース。「どうぶつべっこう飴」などを展示したテーブルの前に人が集まっている。

ナレーション: そして、FOOD TAIPEI当日。

映像説明: 「PLEASE TRY IT!」と書かれた箱の中に試食用の個装の「どうぶつべっこう飴」が入っている。箱の底に仕込まれた小型ライトが、飴を下から照らしている。 透明な台の上に並べた個装の「どうぶつべっこう飴」。台の下に設置したライトに照らされて、黄金色(こがねいろ)の飴がより一層、輝いて見える。

ナレーション: ブースでは、べっこう飴をきれいに見せるために、下から光を当てるなど、工夫して配置。

映像説明: 野州たかむら(やしゅうたかむら)のブースにある棚。赤いだるまのイラストをパッケージの中央に大きくデザインした「和 べっこう飴」や味によってパッケージの色が異なる「どうぶつべっこう飴」などが展示されている。

ナレーション: 日本らしく、さらに目立つようにと、デザイナーによるパッケージを採用した。

映像説明: 由依さんが黒いネックストラップを下げた男性や、緑色(みどりいろ)のブラウスを着た女性たちに資料を手渡しながら説明している様子が次々と映る。

ナレーション: その戦略は、見事成功! 見た目のインパクトでバイヤーの目に留まり、次々と商談が舞い込んできた。

映像説明: 「どうぶつべっこう飴」などを展示した展示台の前で、由依さんが茶色いミディアムヘアーの女性と紺色のTシャツを着た男性に応対している。茶色いミディアムヘアーの女性が資料にじっくりと目を通している。

ナレーション: ユニークな日本の新しい商品を探している、こちらのバイヤーの評価は。

テロップ: バイヤー

バイヤー・中国語: 舌が切れるアメもありますが、この商品はとても滑らかで見た目も可愛いですね。

映像説明: ブース内の丸テーブルでの商談風景。由依さんが、黒いジャケットを着てメガネをかけた女性と薄ベージュ色(いろ)のブラウスを着た女性にパソコンの画面を見せている。女性たちは真剣な表情でパソコンの画面を見つめている。

ナレーション: こちらのバイヤーも。

テロップ: バイヤー

バイヤー・中国語: 日本ブランドのアメは台湾では人気があります。このようなアメは台湾では生産されていません。 価格が市場に受け入れてもらえば、(仕入れる)可能性はかなり高いですね。

映像説明: 「どうぶつべっこう飴」を展示したテーブルの前で、由依さんがにこやかにインタビューに答える。

テロップ: 野州たかむら(やしゅうたかむら) 海外担当 小崎 由依 さん

由依さん: うちの強みである形状も、やっぱり、手に取っていただいて実際に見ていただいたら、ほかとはやっぱり、他社とは違うね、っていうのを、実際に、直接伝えられたなっていうふうに思ってます。

映像説明: ブースの前で、由依さんが展示された飴の商品を手で示しながら、来場者と話をしている。

ナレーション: その言葉通り、すぐに輸出が決まったという。

映像説明: うずまきやハート、星などの形をしたアメ細工を飾った壁の前で、小崎社長がインタビューに答える。

テロップ: 野州たかむら(やしゅうたかむら) 小崎 和江 社長

小崎社長: あの、台湾の展示会が終わってすぐ、えー、1社、発注がありました。 現地に行って、また、あのー、対面で、あの、顔を見ながら、お話しさせていただいたことで、えー、より、こう、信頼関係っていうのが築け、すぐに発注をいただけました。

映像説明: 清水商店の社屋外観。白衣(はくい)を着て白い衛生帽子をかぶった作業員が、搬入口(はんにゅうぐち)から荷物を運び入れる姿が見える。

サイドテロップ(画面右上に常時表示): 悲願の台湾へ輸出開始!

テロップ: 2023年8月

ナレーション: FOOD TAIPEI終了後、8月。清水商店を訪ねた。

映像説明: 工場内。ベルトコンベヤーから流れてきた大量の蒸しだこが、水を張った大きな青いコンテナにどんどんたまっていく。

ナレーション: なんと、台湾のバイヤーから注文が入り、新規の輸出が始まっていた。

映像説明: クリーム色(いろ)の壁の部屋で、清水社長がインタビューに答える。 「FOOD TAIPEI」の清水商店のブースの様子が次々と映し出される。冷蔵ショーケース内の「蒸しだこ」の真空パックやスライスした「蒸しだこ」に隠し包丁を入れている手元、清水社長が試食している来場者たちの様子を見ている。

テロップ: 清水商店 清水 栄基(しみず えいき) 社長

清水社長: 新たな、あのー、現地(台湾)の代理店の販売先を開拓すべく、えー、昨日も、おー、台湾向けで、えー、作った商品を、輸出したところです。 今後、この商品が現地(台湾)側に届いて、より多くのお客様に、私どもの商品が、えー、届いて、えー、広まっていくのかなというふうに考えています。

映像説明: 水色のグラデーション背景画。画面の右側で地球の陸地部分だけが点描され、中が空洞になった地球儀のグラフィックイメージが回転している。

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