知的財産に関する情報（The Daily NNA【韓国版】より）第3次国家知識財産基本計画（2022-2026年）の概要

The Daily NNA【韓国版】掲載（File No.160）
ジェトロ・ソウル 副所長 土谷 慎吾（特許庁出向者）

韓国では、部処横断的に知的財産政策を推進するための司令塔として、大統領直属の「国家知識財産委員会」（日本の「知的財産戦略本部」に相当）が設置されており、同委員会は5年毎に知識財産基本計画を策定するとともに、その基本計画の下に、毎年知識財産施行計画を策定・実行することとされています。
2021年12月27日、第30回国家知識財産委員会が開催され、第3次国家知識財産基本計画（2022-2026年）が策定・公表されましたので、本稿では、この概要（ビジョン、目標、5大推進戦略・16大推進課題）についてご紹介します。

知的財産基盤のグローバル革新先導国家の実現

戦略1．デジタル大転換時代の核心IP創出・活用促進

推進課題1．国家戦略産業分野の核心IP創出
推進課題2．IP成果活用のための技術移転および事業化の推進
推進課題3．デジタル環境変化に対応する先制的法・制度整備

戦略2．戦略的IP保護体系の強化

推進課題1．国家核心技術の戦略的IP保護の強化
推進課題2．国内外のIP侵害防止および保護体系の強化
推進課題3．IP紛争解決体系の高度化

戦略3．IP基盤のグローバル強小企業育成

推進課題1．IP基盤の革新型創業促進
推進課題2．中小・ベンチャー企業のIP金融支援拡大
推進課題3．中小・ベンチャー企業のIP基盤グローバル進出促進

戦略4．新韓流拡散を先導するKコンテンツの育成

推進課題1．次世代・高品質K-コンテンツ創出・活用支援
推進課題2．K-コンテンツ保護体系の強化
推進課題3．K-コンテンツ拡散のための基盤組成

戦略5．グローバルIP先導国家基盤の組成

推進課題1．IP人材育成および専門性の強化
推進課題2．グローバルIP協力イシュー対応
推進課題3．生物遺伝資源の確保および管理体制の構築
推進課題4．IP価値の拡散および地域IP競争力向上のための基盤強化

残念ながら紙数の関係で項目のみしかお伝えできませんでしたが、第3次国家知識財産基本計画の詳細については、韓国国家知識財産委員会のウェブサイトで原文をご確認いただくか、今後弊所ウェブサイトで日本語訳を提供予定ですので、そちらをご覧ください。
本基本計画に基づいて、今年3月にも2022年の知識財産施行計画が策定される見込みです。

日本貿易振興機構（ジェトロ）ソウル事務所
副所長 土谷 慎吾
2001年日本国特許庁入庁。通信・半導体分野の審査官・審判官、情報技術統括室室長補佐、審判課課長補佐、主任上席審査官等を経て、2020年7月から現職