輸出用製品の原材料輸入に係る税還付制度:タイ向け輸出

質問

タイの工場で輸出用製品を製造する場合、輸入する原材料にかかわる輸入税の還付制度について教えてください。

回答

タイでは、原料や部材(以下、原材料)を輸入し、これを加工し、または組み込んだ製品を原材料の輸入時から1年以内に輸出する場合、「税の還付制度(Section 19 bis of Customs Act (No.9) B.E.2482、 通称 BIS-19条)」によって、原材料輸入時に輸入者が現金で支払った輸入税、あるいは、銀行保証書または財務省発行保証書の差し入れによって納付した輸入税が還付される制度があります。これは免税制度ではなく、製品の輸出後、還付申請を行うことによって返還される制度です。なお、この制度が適用される原材料には、輸出時に容易に確認できるものであることなどの条件があります。

I. 還付手続き

  1. 輸入者は輸入申告に先立ち、税関に対して、所定の書式でBIS-19条適用の申請を行います。税関の承認後、当該輸入に適用される輸入税相当額を、現金または財務省発行の保証、または銀行保証などの方法で納めます。
  2. 原材料の輸入申告をオンライン(e-Customs)で行います。
  3. 税関に製造式(Production Formula)を提出します。これが承認されると税関から製造式番号(Formula Number)が与えられます。この後、原材料の監査が行われます。製造式番号は5年間有効で、さらに5年間延長することができます。
  4. 製品は原材料の輸入時から1年以内に輸出されなければなりません。輸出者はオンラインで輸出申告を行います。
  5. 製品の輸出時から6カ月以内に、税の還付請求のための所定の書類を提出します。税関で審査の上、内容に間違いがなければ、税が還付されます。
  6. 一方、BIS-19条の適用を前提に輸入した原材料が、製造に使われなかったり、輸入時から1年以内に使用されなかった場合、輸入者はこれらについて、輸入時から13カ月目、または18カ月以内に、輸入税を申告して納税すると同時に、1カ月につき1%の追徴金を支払わなければなりません。

II. タイ投資委員会認定企業

上記の制度とは別に、タイ投資委員会(Board of Investment:BOI)の認定を受けて進出した企業に対しては、輸出するための生産に必要な原材料の輸入税を、進出地域によって1年〜5年間免除するという恩典制度もあります(延長申請も可)。 BOIによる輸入税減免借置を受ける場合の輸入通関手続きおよび留意点を参照下さい。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

関係機関

タイ税関:
輸入税の還付
タイ投資委員会(BOI)
在日タイ大使館
日本税関

調査時点:2012年8月
最終更新:2020年6月

記事番号: A-000A28

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