貨物の船積前検査:カメルーン向け輸出

質問

カメルーン向け貨物の船積前検査の手続きについて教えてください。

回答

カメルーン向け貨物の船積前検査には、輸入国税関業務の一部を船積前に輸出国で第三者検査機関に委託して実施する船積前検査(WTO-PSI制度)がありましたが、2016年12月より、荷揚げ地におけるスキャナー検査に変更となりました。一方同国では2016年8月に「輸出品適合性評価プログラム」が新設され、検査対象製品を輸出する場合は、適合証明書の取得が義務付けられました。なお、本プログラム対象製品以外については、スキャナー検査が適用されます。

輸出品適合性評価プログラムの内容は以下のとおりです。

I. 輸出適合性評価プログラム

輸出品適合性評価プログラム(Programme d’Evaluation de la Conformité Avant Embarquement des marchandises importées en République du Cameroun: PECAE)は大統領令(Decree n° 2015/1875/PM)に基づき 2016年8月に開始され、カメルーン規格品質機関(L’Agence des Normes et de la Qualité: ANOR)が管轄しています。FOB価格が200万セーファーフラン以上の検査対象製品貨物については、所定の手続きを経て適合証明書(Attestation de Conformité: AC)の取得が必要です。同証明書は、輸出製品がカメルーン国における当該製品規格及び要求事項に適合していることを証明するもので、輸入通関時に必要です。

※CFAフラン(セーファーフラン、Franc CFA)は、旧フランス領西アフリカおよびフランス領赤道アフリカを中心とする多くの国で用いられる共同通貨。西アフリカ諸国中央銀行(Banque Centrale des Etats de l’Afrique de l’Ouest: BCEAO)発行のもの(XOF)と、中部アフリカ諸国銀行(Banque des Etats de l’Afrique Centrale: BEAC)発行のもの(XAF)との2種類がある。両者は通貨としての価値は同一であるが、相互には用いられていない。
1958年から1フランス・フラン=50CFAフランの固定レートであったが、1994年には構造調整計画の一環として、1フランス・フラン=100CFAフランに切り下げられた。1999年元旦からユーロに固定しており、1ユーロ=655.957CFAフランである。

II. 手続きの流れ

検査対象製品に該当する場合は、ANORから認定を受けている検査会社に必要書類を提出します。原則、輸出者が検査会社に申請をしますが、輸入者、メーカー、フォワーダー、仲介商社が申請することも可能です。検査会社は書類評価及び船積み前検査を実施したうえで、ANORが定める規定、安全規格及びその他要求事項を満たしていることを確認して適合証明書を発行します。2016年12月1日現在の検査対象製品は以下の通りです。詳細は検査会社に照会して下さい。
HSコード類: 02, 03,04,07,08, 09, 10, 11, 15,16,17,18,19,20, 21, 22, 25,33,34,35, 48, 63, 72,73, 76
*上記類であっても枝番によっては対象外の製品もあります。

III. 検査方法

検査会社が申請者から提出された製品テストレポートをレビューして、カメルーン国における当該製品規格及び要求事項との適合性を確認します。なお、製品テストレポートは以下のいずれかに該当するものが必要です。

  • ISO17025取得試験所が発行したもの
  • 認定検査会社が発行したもの
  • ISO9001、ISO/TS16949などの品質マネジメントシステム認証を受けている製造会社が実施した試験成績書。

*上記に該当する製品テストレポートがない場合は、検査会社にご相談下さい。

製品テストレポートレビュー後、船積前検査を実施し、貨物の数量、製品外観、梱包状態、マーキング、原産国表示、取扱説明書の有無などが売買契約やカメルーン国要求事項に適合しているかどうかを確認します。

IV. 必要書類

  1. 証明書申請書:Request for Certificate(RFC)
  2. 適合宣言書:Declaration of Conformity(DOC)
  3. 製品テストレポート
  4. インボイス
  5. パッキングリスト
  6. 製造会社の品質管理関連証明書(ISO9001、ISO/TS16949など)
  7. 製品カタログ、写真など

V. 検査費用

FOB金額×0.45%(ルートA、通常の手続きの場合)
FOB金額×0.40%(ルートB、同じ製品をくり返し船積する場合)
FOB金額×0.27%(ルートC、製造業者限定)

ただし、検査費用は最低300米ドル、最大7,000米ドルです。

検査費用は一般的には輸出者が支払者となりますが、メーカー、フォワーダーなどが検査費用を支払うケースもあります。

VI. その他留意事項

船積前検査を実施しない場合〔適合証明書(AC)を未取得の場合〕は、輸入通関時にペナルティとして輸入者に売上(turnover)の5%もしくは想定利益(net estimated profit)の100%が課せられます。

なお、カメルーン向けのすべての海上貨物に対して、カーゴトラッキングノート(Cargo Tracking Note)の取得が義務付けられています。また、保険については自国主義が適用されています。
カーゴトラッキングノートは日本から輸出する場合は、シンガポールのForemost Lineにて取得します。

VII. 関係機関

指定検査会社
SGSジャパン株式会社 (TEL 050-3773-4503、TFS部)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
インターテック テスティング サーヴィセス ジャパン株式会社 (TEL 03-3669-1082)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
カーゴトラッキングノート申請先
Foremost Line Singapore
  • Tel: +65-6223-1202
  • Fax: +65-6223-1238
  • Email: info@foremostline.com
    手数料はユーロまたは米ドルで支払う。(例:1BL/10TEUsあたり100ユーロ)
CNCC ECTN Application Form - Cameroon (CONTAINER)エクセルファイル(47KB)
CNCC ECTN Application Form - Cameroon (RORO)エクセルファイル(46KB)
関係資料・情報
カメルーン全国輸出者協議会(CNCC)コミュニケ(2015年4月6日付)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1,093KB)

調査時点:2016年12月
最終更新:2022年1月

記事番号: A-001162

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