オートバイの輸入手続き:日本

質問

自動二輪車(オートバイ)の輸入手続きについて教えてください。

回答

I. 関税分類番号(HSコード)

モーターサイクルおよびサイドカー(HS8711)

5桁以降のHSコードは、排気量別に細分化されます。
エンジン排気量50cc以下(HS8711.10)
50~250cc(HS8711.20)
800cc超(HS8711.50)など

オートバイには上記関税分類のほか、以下の区分があります。

  1. 車両の技術基準を規定した「道路運送車両法」による区分
    125cc以下の二輪車を原動機付き自転車とする。従って、高速道路などを走行できるのは、125ccを超える軽二輪もしくは小型二輪自動車に限られる。
  2. 「道路交通法」による区分
    51~400ccを普通自動二輪車とし、401cc以上を大型自動二輪車と分類する。

輸入販売にあたり関連法令は多岐にわたるため、ここでは上記A.「道路運送車両法」を中心に解説します。

II.輸入時の規制

  1. 道路運送車両法
    1. 必要な検査・届出
      エンジンの総排気量および車両の大きさの区分ごとに検査・届出等が必要です。
      1. 総排気量126~250cc、車両の大きさが長さ2.5m以下、幅1.3m以下、高さ2m以下
        「軽二輪自動車」保安基準に適合していることを、国土交通省地方運輸局・都道府県陸運支局に届け出る必要があります。保安基準の確認には型式認定で十分で、車検は不要です。
      2. 総排気量251cc以上、車両の大きさがa.を超えるもの
        「小型二輪自動車」の保安基準に適合していることを、国土交通省地方運輸局に届け出る必要があります。保安基準の確認には型式指定を受ける必要があり、車検も必要です。
      3. 総排気量125cc以下、車両の大きさがa.以下のもの
        「原動機付き自転車」として、さらに「第一種(50cc以下)」と「第二種(51~125cc)」に分かれます。いずれも規制内容は同じで、保安基準に適合していることを、各市町村に届け出る必要があります。保安基準の確認には型式認定で十分で、車検は不要です。
    2. 輸入車の認証制度
      自動車認証制度には以下の3種類があります。
      1. 型式指定制度:
        あらかじめサンプル車と書類を提出し車両審査を受けます。製品均一性が確保できる体制かどうかも審査されます。型式指定を受けた二輪自動車は新規検査の際、現車の提示が省略できます。そのため、同制度は国内で大量に販売を予定する輸入車の審査に利用されます。
      2. 新型自動車届出制度:
        あらかめサンプル車を提示し車両審査を行ないます。新規検査は、現車とサンプル車との同一性の確認のみで、製品均一性確保の体制審査は省略されます。仕様・車種が多いトラック、バスのほか、小型自動二輪でも同制度を利用する場合があります。
      3. 輸入車特別取扱い制度:
        日本国内で少量販売予定の輸入車にのみ適用される制度です(年間2,000台以下)。サンプル車の提示が省略でき、提出書類も簡素化されています。

      運輸支局あるいは自動車検査登録事務所での新規検査の際、a. の場合はメーカー等が発行する検査証があれば現車提示が不要となるのに対し、b. とc. では、現車が事前認証どおりかどうか確認を受けなければナンバープレートは交付されません。

    3. 個人輸入、逆輸入および並行輸入の場合
      1. 輸入通関の際に自動車通関証明書の交付を受け、保税地域から搬出して1台ごとに保安基準への適合確認を受けることが必要です。海外仕様車はヘッドライト光軸、メーター表示、排気ガス対策などあらゆる点で国内仕様と異なるため、日本の保安基準を満たすよう以下の対策や検査を受ける必要があります。
        1. 保安基準適合証
        2. 完成検査終了証(型式指定の場合)
        3. 排ガス検査終了証(型式許可・型式認証の場合)
        4. 譲渡証明書
        5. 自動車通関証明書
        6. 並行輸入自動車届出書(並行輸入の場合)
        7. 自賠責保険証明書
        8. 自動車重量税納付書
        9. ユーザーの住民票等
      2. (海外からの引越し等、個人輸入の場合)特定用途免税の適用
        海外からの引越しに伴い、個人用に使用する車両を輸入する場合、以下の条件を満たせば、特定用途免税の適用を受けられます。
        1. 入国者またはその家族が個人的に使用するものである。
        2. 通関の際に外国での自動車登録証、保険証、譲渡証明書などによって入国者が既に使用していたものであることが証明できる。
        3. 輸入地所轄の税関に対し、日本に住所を移転するための入国であることを証明できる。

III.販売時の規制

不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)/公正競争規約ほか
自動車公正取引協議会は同法に基づき、「二輪車公正競争規約」で新車・中古車販売の表示等について基準を定めています。
その他、リコール対応など製造物責任(PL)やリサイクル対応など数多くの関連法令があります。

関係機関

税関:
輸出入通関手続や税番・税率等に関するお問い合わせ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
1109 自動車の輸入通関手続(カスタムスアンサー)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

国土交通省:
自動車検査・登録ガイド外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
自動車のリコール・不具合情報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
一般財団法人 日本車両検査協会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
一般社団法人 日本自動車工業会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
一般社団法人 自動車公正取引協議会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
公益財団法人 自動車リサイクル促進センター外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2013年10月
最終更新:2021年3月

記事番号: M-010579

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