北米日系企業の経営実態(米国、カナダ)-2008年度調査- (2008年11月)

最終更新日: 2008年11月14日

ジェトロでは2008年7〜8月にかけて米国6事務所(ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、ヒューストン、アトランタ)、カナダ2事務所(トロント、バンクーバー)を通じて在米国・カナダの日系企業にアンケート調査を行った。有効回答は在米国789社(製造業のみ)、在カナダ202社(製造業・非製造業)。本調査は米国では1981年以来今回で27回目、カナダは89年以来19回目の実施。

なお、本調査は住宅金融公社の政府管理、証券大手の破綻、保険大手の経営不安など米国の金融危機が深まった9月以前に行われたものである。調査終了後、経済展望は不透明さを増し、日系企業の危機意識は一層深まっていると思われる。

今回の調査結果のポイントとしては、経済減速、エネルギー・原材料高の影響で、2008年の在米・加日系企業の景況感はITバブル崩壊、同時多発テロ後の水準を下回り、過去最低になったことである。特に自動車産業の減速感が際立っている。

日系企業の収益を悪化させた直接の要因には、国内外市場での販売低迷、国内および輸入調達コストの上昇など。ただし、生産性の向上を通じた効率化や人件費・管理費の圧縮によりコスト削減を図る、エネルギー高による原材料価格の上昇分を速やかに製品・サービス価格に転嫁する、そして国内外市場での販売を増やす‐‐これらに成功した企業は営業収益を増やしている模様である。

気候変動、環境対策では関連コスト増の懸念がある一方、PR効果や自社の競争力が増すなどの期待も示されている。 関連コストの増加を懸念する声が輸送用機器および同部品をはじめとして最も多い一方で、「環境問題に取り組む企業姿勢のPRにつながる」「自社商品の競争力が増す」など、自社の環境技術の強みを前向きに捉える企業も多くなっている。


発行年月 :2008年11月
作成部署 :海外調査部北米課
総ページ数 :191ページ(本レポート:161ページ、プレス用:12ページ、プレス用-英語版:18ページ)

記事番号:05001610

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