イランが中国・GCCサミット共同声明に対し抗議

(イラン、中国、サウジアラビア、湾岸協力会議(GCC))

テヘラン発

2022年12月20日

サウジアラビアの首都リヤドで12月9日に開催された中国・湾岸協力会議(GCC)サミットの共同声明に対し、イランの大統領や外相らが抗議した。同サミットには、サウジアラビアを訪問していた中国の習近平国家主席が参加していた(2022年12月12日記事2022年12月13日記事参照)。

12月9日付イラン・イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、中国とGCC諸国はサミットの共同声明において、アラブ首長国連邦(UAE)が領有権を主張するペルシャ湾の3島(小トンブ島、大トンブ島、アブー・ムサー島)について、「国際法の基準に従って、2国間交渉を通じてこの3島の問題の平和的解決を目指すUAEの努力を支持する」とした。

これに対し、イランのホセイン・アミール・アブドゥラヒヤーン外相は12月12日、中国語で「3島はイランの切り離せない部分であり、永遠に祖国に属する」とツイッターに投稿し、中国政府にイランの領土保全を尊重するよう求めた(12月12日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、イブラーヒーム・ライーシー大統領は13日、イランを訪問中の中国の胡春華副首相と会談し、「中国の習近平国家主席がリヤド訪問の際に示した立場の一部は、イランの政府や人々の不満につながった。イランはこれらの立場に対する埋め合わせを要求する」と述べた。それに対し、胡副首相は「イランとの関係を強化するという中国の決意は、地域や国際的な動向に関係なく続く」とした上で、「中国は常にイランの国家主権と領土保全を尊重している」と述べた。また、イラン当局者との会談について報告し、「数百億ドル規模の共同出資事業の開始、経済、産業、エネルギー、トランジット輸送、金融、銀行業務面での協力拡大に伴い、両国は戦略的開発パートナーシップに向けて大きな一歩を踏み出す」と述べた(12月13日付IRNA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、中国、サウジアラビア、湾岸協力会議(GCC))

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