パレスチナのアッバース議長が国連総会で国際和平会議の開催を要請

(パレスチナ、イスラエル)

テルアビブ発

2023年09月25日

パレスチナ自治政府(PA)のマフムード・アッバース議長は9月21日、国連総会で一般討論演説を行った。

アッバース議長は冒頭、パレスチナ人が完全かつ合法的で民族的な権利を享受することなしに、中東に平和がもたらされると考えるのは間違いだと指摘した。さらに、75年前のナクバの悲劇(イスラエル建国に伴いパレスチナ人が居住地を追われた悲劇)を思い起こさせるために国連総会に来たと語った。

写真 アッバース議長の国連演説に関する国連ジャーナルのX(旧ツイッター)でのコメント画面

アッバース議長の国連演説に関する国連ジャーナルのX(旧ツイッター)でのコメント画面

アッバース議長は、イスラエルによる占領は、国際法と国際的正当性の原則に違反し、占領を永続させ、アパルトヘイトを定着させることを目的としていると批判した。その上で、国連がイスラエルによる占領を終わらせ、(第3次中東戦争前の)1967年6月4日時点の国境線に沿って東エルサレムを首都とする完全な主権国家パレスチナの独立を実現し、国際的な正当性の決議に従ってパレスチナ難民問題の解決を要求する国連決議を実施することに、希望を持ち続けていると述べた(2023年8月22日記事参照)。

1993年9月のオスロ合意から30年が経過して和平プロセスが行き詰まる中、アッバース議長は国連とアントニオ・グテーレス事務総長に対し、国際和平会議の開催を要請した。さらに、まだパレスチナ国家を承認していない国々に対し、パレスチナ国家を承認し、パレスチナが現在の非加盟オブザーバー国家から国連の正式加盟国となることを求め、「イスラエルだけが(加盟国として)承認されている。なぜパレスチナは認められないのか」と訴えた。

(中溝丘)

(パレスチナ、イスラエル)

ビジネス短信 1e18038bdfbae97c