米フォージ・ナノ、ノースカロライナ州でバッテリー工場建設計画を発表

(米国)

アトランタ発

2023年11月20日

米国ノースカロライナ州のロイ・クーパー知事(民主党)は11月14日、先端材料研究のフォージ・ナノが同州モリスビルにリチウムイオンバッテリー(LiB)製造工場を建設するために、1億6,500万ドル以上の投資を計画していると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社は、特殊な原子レベルのコーティングを施すことにより、電池に使用する材料の性能を向上させるアトミック・アーマーと呼ばれる技術で、バッテリーのエネルギー密度を高め、安全性を向上させ、寿命を延ばす保護ナノコーティングを提供する。モリスビルにギガワット時(GWh)の生産能力を持つバッテリー工場を設立して、アトミック・アーマー技術を活用した高性能のLiBを生産し、米国内外の顧客に提供する予定だ。新工場の操業開始は2026年を見込んでいる。

報道によると、新工場で生産するLiBセルは防衛、航空宇宙、特殊な電気自動車(EV)市場で使用される見込みで、テスラのEVで使用されている高容量・高出力円筒形セルの21700バッテリーと18650バッテリー(注)を製造する予定だ(ロイター11月14日)。また、ノースカロライナ州はフォージ・ナノに800万ドル以上のインセンティブを提供するとも報道されている(ロイター11月14日)。

クーパー知事は「ノースカロライナ州のクリーンエネルギー分野のリーダーシップの高まりはどこを見ても明らかで、フォージ・ナノの決定はこの勢いをさらに加速させる」「この世界経済の重要な新分野を受け入れることで、新たな雇用、新たな投資、州民のための新たな機会が急速に生まれている」と述べた。

同州では、LiBに使用する合成黒鉛の大手メーカーのイプシロン・アドバンスト・マテリアルズによる6億ドル以上の投資(2023年11月1日記事参照)や、トヨタ自動車によるEV関連バッテリー工場への80億ドルの追加投資(2023年11月7日記事参照)など、バッテリー関連投資が相次いで発表されている。

(注)21700バッテリーは直径21ミリ、長さ70ミリ、18650バッテリーは直径18ミリ、長さ65ミリ。

(吉田祥子)

(米国)

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