世界最大級の水産見本市に国内外の企業が来場

(中国)

青島発

2023年11月16日

「世界3大水産見本市」の1つとされる「中国国際漁業博覧会」(以下、博覧会)が10月25日から27日にかけて、中国・山東省青島市で開催された。2022年は新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大などを踏まえて開催中止となったが、今回は新型コロナの防疫規制の緩和を受けて2年ぶり、26回目の開催となった。

主催者の中国国際貿易促進委員会農業行業分会が11月13日付で発表した開催報告によると、今回の出展者は中国を含む51カ国・地域からの1,680社となっている。120カ国・地域から、水産品分野における加工事業者や貿易事業者をはじめとする4万127人が来場した。主催者は、これらのうち、約88%が調達の決定権もしくは推薦権限を持つ来場者だったと分析している。

防疫規制の緩和に伴い、海外からの中国入国時の対応負担が軽減されたこともあり、2年前の開催時と比べて、会場内における海外からの出展・来場者もかなり目立つ状況となった。海外パビリオンの設置も、カナダやノルウェー、ペルー、チリ、米国、韓国、ベトナムなど17カ国・地域と多地域にわたり、中でもロシアは全海外パビリオン中、最大規模(984平方メートル)での出展となった。中国ではロシアからの水産品輸入が伸びており、中国税関統計によると、2023年1~9月期での中国のHSコード第3類(注)の対ロ輸入額は前年同期比10.7%増の21億ドル超となっている。このほか、トルコとイランのパビリオン形式での初出展や、韓国パビリオンでのマグロの解体ショー実演などもあり、会場内は国内外関係者による熱気に包まれた。

博覧会には日本の企業も出展した。中国による日本産水産品の輸入禁止措置(2023年8月25日記事参照)による制約を受けつつも、中国や第三国で製造した産品に関する商談をしたり、博覧会に集う第三国バイヤーと商談・情報交換を行ったりするなど、多岐にわたる切り口によるビジネスが行われた。

写真 国際色豊かな海外企業が集まるエリア(左)、韓国パビリオンでのマグロ解体ショーの実演(右)(ジェトロ撮影)

国際色豊かな海外企業が集まるエリア(左)、韓国パビリオンでのマグロ解体ショーの実演(右)(ジェトロ撮影)

(注)魚ならびに甲殻類、軟体動物およびその他の水棲無脊椎動物。 

(吉川明伸)

(中国)

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