2023年1~9月の貿易赤字は前年同期比4.9%増

(トルコ)

イスタンブール発

2023年11月07日

トルコ統計機構(TUIK)(10月31日付外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2023年1~9月の輸出は前年同期比0.5%減の1,872億414万ドル、輸入は1.2%増の2,744億3,244万ドルで、貿易赤字は4.9%増の872億2,830万ドルとなった。9月単月では、輸出は前年同月比0.5%減の224億8,961万ドルだった。輸入は、鉱物性燃料が36.4%減となり、全体では14.6%減の275億117万ドルで、貿易赤字は47.8%減の50億1,156万ドルとなった。

2023年1~9月の輸出を品目別にみると、最大の輸出品目である自動車・同部品が前年同期比17.6%増となり、一般機械(14.6%増)、電気機器(16.0%増)、貴金属類(22.1%増)も好調だった。一方、鉄鋼が46.1%減で最大のマイナス寄与となり、需要の低迷が続いている(添付資料表1参照)。

国・地域別の輸出では、輸出額全体の41.6%を占めるEU向けは前年同期比0.4%増と伸び悩み、国別で首位のドイツも0.8%増にとどまった。2位以下を輸出額順にみると、米国(13.6%減)、イタリア(1.7%減)、英国(7.2%減)、イラク(9.6%減)など主要国はほぼ軒並みマイナスだった。他方、欧米の制裁対象国となっているロシア向けは45.2%増で最大の寄与度となった。ただし、9月単月を前年同月比でみると、2桁のマイナス(25.0%減)になっている。アラブ首長国連邦(UAE)への輸出は、貴金属を主力に41.9%増で、寄与度ではロシアに次いだ(添付資料表2参照)。

2023年1~9月の輸入を品目別にみると、最大の輸入品目の鉱物性燃料が前年同期比29.2%減となった。そのほか、鉄鋼(18.2%減)、プラスチック製品(16.2%減)、有機化学品(20.7%減)が2桁のマイナスになった。一方、金を主体とする貴金属類は、8月に需要抑制のため20%の追加財政義務(注)が課されるようになったものの、89.4%増と最大の寄与度が続いている(2023年8月15日記事参照)。一般機械(23.2%増)、自動車・同部品(91.2%増)、電気機器(34.7%増)なども伸びた(添付資料表3参照)。

国・地域別の輸入では、金の需要が続いており、スイスからの輸入が前年同期比で倍増し、UAEからも貴金属を中心に2.6倍となった。EUからは、ドイツ(22.0%増)、フランス(22.5%増)が伸び、全体では14.4%増となった。国別で最大の輸入元は、前年同期と同様に、天然ガスを主力とするロシアだが、輸入額は22.3%減だった(添付資料表4参照)。

(注)EUおよびFTA締結国以外で生産された対象品目の輸入に対する課徴金。

(中島敏博)

(トルコ)

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