中国の貿易障壁調査結果に対し、政治的操作で受け入れられないと反論

(台湾、中国)

調査部中国北アジア課

2023年12月19日

台湾の行政院経済貿易弁公室は12月15日、中国商務部が台湾の貿易制限措置を貿易障壁と認定したとの発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます2023年12月19日記事参照)に対し(2023年4月23日記事参照)、「事実と異なっており、絶対に受け入れられず、政治的な操作をやめるべき」との声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

台湾が2,509品目の中国大陸製品の輸入を禁止しているとの中国商務部の指摘に対して、「台湾は2002年のWTO加盟以降自主的な開放を続けており、開放した項目数は既に1万項目を超えるとしたほか、禁止品目を拡大しているとの指摘についても関税分類上の変更であり事実を歪曲(わいきょく)している」とした。海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)の締結については、「2011年からアーリーハーベストが実施されているが、2016年の蔡英文政権開始以降は、中国は政治的理由を持って一方的に協議を停止しており、中国側こそWTOの精神とECFAのルールに違反している」とした。

台湾の大陸委員会も、「中台はいずれもWTOメンバーで、貿易争議がある場合はWTOルールに則して処理されるのが正しい方法だ。中国がWTOルールをわざわざ避けるのは政治目的であることが明らかだ」と指摘した(「中央通訊社」12月15日)。

台湾の主要な経済団体の1つ、工商協進会は「中国大陸は台湾にとって最大の貿易および貿易黒字相手国で、両岸の貿易が台湾の経済発展に対する重要性は言うまでもない。当局は関連産業、特に農業・漁業・畜産業といった競争力の弱い産業に対する措置を検討するとともに、輸出を強化し一極集中のリスクを分散させる必要がある」とコメントした(「中央広播電台」12月15日)。

(江田真由美)

(台湾、中国)

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