米アムコー・テクノロジー、アリゾナ州に半導体パッケージング・テスト施設の建設を発表

(米国)

ロサンゼルス発

2023年12月06日

半導体製造後工程のパッケージングなどを行う米国アムコー・テクノロジー(本社:アリゾナ州テンペ)は11月30日、アリゾナ州ピオリア市に先進のパッケージングおよびテストを行うための施設を建設する計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同施設に対して約20億ドルを投資し、約2,000人を雇用する予定としている。

アムコー・テクノロジーは米国に本社を置く唯一の半導体組み立ておよびテストを受託する企業で、完成すれば米国最大規模の高度なパッケージング受託施設となる。今後2〜3年以内に生産が開始される予定。アリゾナ州では、半導体ファウンドリー(受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が総額400億ドルをかけて半導体製造工場の建設を進めており、2025年前半にも生産が開始されることが発表されている(2023年10月25日記事参照)。アムコー・テクノロジーが建設する施設では、TSMCの工場でアップル向けに製造されたチップのパッケージングとテストを行う予定で、施設が稼働すれば、アップルは同社にとって最大の顧客となるとされている。

アムコー・テクノロジーのジエル・ルテン最高経営責任者(CEO)は、今回の発表に関して、「半導体企業、半導体製造工場、その他のサプライチェーンのパートナーは、地理的な拠点を戦略的に拡大する必要性を理解している。アリゾナ州に先進のパッケージングとテストを行う施設を新設するという発表は、当社の顧客が強靭(きょうじん)なサプライチェーンを確保し、強力な米国半導体エコシステムの一翼を担うことを支援するという意図を明確に示すものだ」と述べている。

なお、アムコー・テクノロジーは、この施設建設のために、CHIPSおよび科学法(以下、CHIPSプラス法)に基づく資金援助を申請している。アリゾナ州選出のマーク・ケリー上院議員は、この施設建設について、「昨年のCHIPSプラス法成立以来、アリゾナ州で発表されたマイクロチップ投資の中で最大規模の1つで、高賃金の雇用を創出し、地域経済を強化し、国家安全保障の保護に貢献する。マイクロチップのサプライチェーンにおける他国への依存を減らすための大きな前進だ」と述べている。

(堀永卓弘)

(米国)

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