総選挙控えて選挙戦が開始、最大野党のBNPはボイコット

(バングラデシュ)

ダッカ発

2023年12月27日

バングラデシュでは、2024年1月7日に予定される第12回総選挙(2023年11月17日記事参照)を控え、2023年12月18日から選挙戦がスタートした。

選挙に詳しいジャーナリストに確認したところ、11月30日に立候補者の届け出が締め切られた後に立候補者の資格審査が実施された結果、300選挙区300議席に対して1,896人の立候補が認められた。うち、現与党のアワミ連盟(Awami League:AL)は266選挙区に、合計266人の公認候補者を出した。同国の44政党のうち27政党が選挙に参加するが、最大野党のバングラデシュ民族主義党(Bangladesh National Party:BNP)は、選挙実施に当たり政党に属さない中立的な選挙管理内閣(Caretaker Government)の設立を訴えていたものの実現しなかったため、結果として候補者を出さず、選挙をボイコットしたかたちとなった。

また、国民党(ジャティヨ党、Jatiya Party:JP)などの他の野党は、アワミ連盟と選挙区調整を行い、32の選挙区においてはアワミ連盟が候補者を出さない代わりに、国民党などの野党の候補者を出すことで合意している(12月26日ヒアリング)。また、現地報道によると、全国の有権者は約1憶1,970万人で、投票所が約4万2,000カ所設置されるもよう(「ダッカ・トリビューン」紙12月26日)。

同国での選挙活動は、選挙実施日の2日前に当たる1月5日まで実施されるが、野党連合は本選挙は不正だとして、道路封鎖や大規模なゼネラルストライキ(ホルタル)を実施している。

現地日系企業関係者は、選挙日前後は外出を自粛する企業が多く、年末年始期間を利用して国外に滞在する駐在員も多い。特に選挙実施日前後のバングラデシュへの出張や駐在員の外出などは回避し、安全対策を徹底されたい。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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