ブリンケン米国務長官、ナイジェリアを訪問

(ナイジェリア)

ラゴス発

2024年01月29日

1月21~26日にカーボベルデ、コートジボワール、ナイジェリア、アンゴラを歴訪した米国のアントニー・ブリンケン国務長官は23~24日にナイジェリアを訪れ、23日にボラ・ティヌブ大統領とアブジャで会談した。会談には、フェミ・グバジャビアミラ大統領首席補佐官、ユスフ・トゥガー外務相、モハメド・イドリス情報・国家オリエンテーション相、デレ・アラケ固体鉱物開発相が同席した。

会談後の記者会見でトゥガー外務相は、ティヌブ大統領がG20や国連安全保障理事会への加盟を提起したことに加え、気候変動、食糧安全保障、農業、医薬品、健康、ニジェールなど周辺地域における安全保障の問題について、実り多い話し合いができたと述べた。

ブリンケン国務長官は、米国がアフリカ大陸における真のパートナーシップを強化し、共通の課題の解決に取り組み、両国民の約束と根本的な願望を実現することにコミットしていると述べたうえで、メタンガスに対する気候変動への取り組みをパートナーとして行っていることや、国際機関などでのアフリカの常任席の確保を働きかけていると述べた。

また、ナイジェリアについては、並外れた革新とダイナミズムの場所であるとし、米国の起業家や企業は、ナイジェリア経済、特にティヌブ大統領が掲げる「100万人のデジタル雇用イニシアチブ」を達成するためのテクノロジー分野での提携や投資に意欲的だと述べた。海底ケーブルの敷設、衛星技術を利用したインターネットへのアクセス拡大、ナイジェリアの次世代新興企業育成における技術インキュベーション、人工知能開発などに米国企業が取り組んでいると付け加えた。

その一方で、ナイジェリアには汚職への対処や外国企業の資本の本国送還に課題があるとして、これらが克服されれば、変革的な投資を呼び込むとの期待を寄せた。そのうえで、ティヌブ大統領が通貨の変動相場制への移行(2023年6月20日記事参照)や燃料補助金の廃止(2023年6月2日記事参照)の大胆な改革を進めていることを歓迎するとともに、そうした改革に伴い脆弱(ぜいじゃく)なコミュニティにもたらす痛みも認識し、米国はそれらに対する支援についても意見交換したという。

そのほか、米国大統領エイズ救済緊急計画(PERFAR)の継続や、安全保障へのパートナーとしての決意を述べるとともに、ニジェール情勢に対する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の取り組みとナイジェリアのリーダーシップを称賛した。

今後、両国は、3月11日から13日にかけて開催される2国間委員会でもこれらの詳細を話し合っていくという。

(マイケル・アヌーサ、奥貴史)

(ナイジェリア)

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