1月のカナダ消費者物価指数、前年同月比2.9%上昇

(カナダ)

トロント発

2024年02月27日

カナダ統計局が2月20日に発表した1月の消費者物価指数(CPI外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は、前年同月比で2.9%上昇と、2023年12月の上昇率(3.4%、2024年1月17日記事参照)を0.5ポイント下回った(添付資料表参照)。

統計局は、物価上昇率が12月より低かった最大の要因としてガソリン価格(4.0%下落)を挙げた。ガソリン価格は、2023年1月の価格高騰による基準年効果や、マニトバ州におけるガソリン税の一時停止もあり、前月比では5カ月連続で下落している。

そのほかの主な動きとして、航空運賃が前年同月比で12月(9.7%下落)に続き14.3%の下落、携帯電話料金は12月(26.8%下落)に続き16.4%下落となった。店舗売りの食品価格(外食を除いた食品価格)の物価上昇率が12月(4.7%上昇)よりも鈍化し、3.4%の上昇となったことも物価上昇緩和の一因となった。

発表を受けて同日、ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)傘下のRBCエコノミクスのエコノミスト、アビー・シュウ氏は「予想より軟調な結果となり、インフレ圧力は引き続き緩和の兆しを示している。一方、2024年の労働市場が好調なスタートを切ったことで、カナダ中央銀行は利下げに踏み切る前に、物価上昇がコントロールされているというより確実なサインを待つ必要が出てきた。現時点では、中銀が2024年半ばごろに利下げを開始すると予想している」とコメントした(RBC経済アップデート2月20日)。

中銀の次回の政策金利発表は3月6日に予定されている。

(斎藤健史)

(カナダ)

ビジネス短信 b5fad3023c0d4fbb