2023年の実質GDP成長率は3.6%、内需が牽引

(ロシア)

調査部欧州課

2024年02月20日

ロシア連邦国家統計局は2月7日、2023年の実質GDP成長率を3.6%(速報値)と発表した。堅調に推移した製造業や、消費や投資の拡大が経済を下支えした。

プラス成長に寄与した主な産業は製造業(前年比7.0%増、2024年2月13日記事参照)、建設業(7.0%増)、卸売り・小売り・車両修理業(7.3%増)、金融・保険業(8.6%増)だった。原油や天然ガス採掘を含む鉱業は2.0%減だった(添付資料表1参照)。

需要面では、最終消費支出のうち家計が6.1%増、政府が3.6%増だった。総資本形成は19.8%増となった。在庫の増加と総固定資本形成(10.5%増)が寄与した(添付資料表2参照)。

マクシム・レシェトニコフ経済発展相は、成長の要因は消費と投資需要の増加と指摘した。消費の増加には企業収入や賃金の上昇が寄与した。また、内需を支えるため政府が輸入代替政策を推進したことで、特に内需向け製造業が経済成長に大きく貢献した(ノーボスチ通信2月7日)。

ウラジーミル・プーチン大統領は2月12日に行われた主要閣僚などとの経済問題に関するオンライン会議で、2023年の経済成長率について、ロシアは世界の平均成長率の3%、先進国の1.5%を上回ったと指摘した。

2024年の実質GDP成長率について、IMFはプラス2.6%(1月時点)、世界銀行はマイナス1.3%(1月時点)と予測している。

(小野塚信)

(ロシア)

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