スリランカ中銀、金利据え置きを発表

(スリランカ)

コロンボ発

2024年02月08日

スリランカ中央銀行(CBSL)は1月23日、市中銀行による中銀への預金にかかる中銀預金金利(Standing Deposit Facility Rate:SDFR)を9%、中銀から市中銀行への貸し出しにかかる中銀貸出金利(Standing Lending Facility Rate:SLFR)を10%に据え置くと発表した(CBSLプレスリリース1月23日PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。2024年1月1日から付加価値税(Value-Added Tax:VAT)率が15%から18%に引き上げられ(2023年11月9日記事参照)、経費の増加圧力によるインフレ懸念が高まっていることから、利下げは見送った。

中央銀行はこの決定について、中期的にインフレ率を目標水準である5%に維持し、同時に経済が潜在力を発揮できるようにすることを目的としている、としている。

スリランカ経済は、2022年第1四半期からの6四半期連続マイナス成長を経て、2023年第3四半期に実質GDP成長率が前年同期比1.6%のプラス成長に転じている(2023年12月21日記事参照)。中央銀行は2022年春以降、急激なインフレ上昇に対処するため金利を大幅に引き上げ、物価上昇が鈍化した2023年6月以降は段階的に利下げを実施している(注)。

(注)2023年6月に中銀預金金利を13.0%、中銀貸出金利を14.0%に、7月に中銀預金金利を11.0%、中銀貸出金利を12.0%に、10月に中銀預金金利を10.0%、中銀貸出金利を11.0%に、11月に中銀預金金利を9.0%、中銀貸出金利を10.0%に引き下げ、金融市場に対する圧力を緩和している(2023年10月13日記事参照)。

(大井裕貴、寺島かほる)

(スリランカ)

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