第4四半期GDP成長率、4期連続のマイナスを記録

(ペルー)

リマ発

2024年03月15日

ペルー国家統計情報庁(INEI)は2月22日、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率が前年同期比でマイナス0.4%と発表した。これにより、2023年は前年同期比で4四半期連続のマイナス成長となった。INEIは既に2023年通年の実質GDP成長率を前年比マイナス0.55%と発表している(2024年2月19日記事参照)。

INEIは今期のマイナス成長の主な要因として、前期に続いてエルニーニョ現象による気象変動が農業や漁業、製造業に影響し、内需が低迷した点を挙げている。そのため、前期に比べマイナス幅に多少の改善はみられたものの、今期の内需は前年同期比マイナス1.0%で、こちらも4四半期連続でのマイナス成長となった。総固定資本形成は前年同期比マイナス1.1%、その中でも建設分野は、住宅やオフィスビルなどの拡張または改装工事の低迷によって、前年同期比4.5%のマイナスだったが、機械・設備投資は5.2%のプラス成長だった(添付資料表1参照)。

産業分野別のGDP成長率では、鉱業分野が鉱業生産と関連サービス産業の成長を反映して、前年同期比4.8%の伸びを記録した。反対に、エルニーニョ現象の影響を受けた農林業は、国内市場や輸出向けの農産品(マイナス1.3%)と畜産品(マイナス0.9%)が振るわず、前年同期比で1.1%後退した。同じく水産業も、海洋漁業がマイナス4.5%と低迷したことにより、全体でも前年同期比マイナス3.6%と不調だった(添付資料表2参照)。

財貨・サービスの輸出は、果物やコーヒーなどの農産物、亜鉛や銅などの鉱物類を中心に、前年同期比で5.9%の伸びを記録した。主な仕向け地は中国(全体の34.1%)、米国(15.4%)、カナダ(5.4%)、インド(4.8%)、オランダ(3.2%)が上位5カ国を占めた。輸入も同様に、前年同期比で石油、産業機械などを中心に3.0%のプラス成長となった。主な輸入元は米国(27.4%)と中国(14.0%)の2カ国に集中している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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