習国家主席が米ビジネス関係者らと会談、米国からの投資を歓迎

(中国、米国)

北京発

2024年03月29日

中国の習近平国家主席は3月27日、米国のビジネス界、学会関係者などと会談を行った(米国側の反応は2024年3月28日記事参照)。

会談には、米中関係全国委員会のエバン・グリーンバーグ会長、ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマンCEO(最高経営責任者)、クアルコムのクリスティアーノ・アモンCEO、ハーバード大学ケネディ行政大学院のグレアム・アリソン元院長、米中ビジネス評議会(USCBC)のクレイグ・アレン会長らが参加した。

習国家主席は「中国経済は健全かつ持続可能だ」との自信を示し、2023年の世界の経済成長ヘの寄与率は30%を超えたと評価した。

また、「改革は止まることなく、開放は歩みを止めない」とし、引き続き市場化、法治化、国際化された一流のビジネス環境をつくり上げ、米国企業を含む各国の企業にさらなる発展のための空間を提供するとした。その上で、米国企業が「一帯一路」や、中国国際輸入博覧会などのイベントに参加し、中国へ投資することを歓迎するとした。

その他、習国家主席は、ジョー・バイデン大統領との会談(2023年11月17日記事参照)で達した最も大きな共通認識は、両国関係を安定させ、好転させなければならないということだとした。この数カ月で、政治・外交、経済貿易・財政金融、麻薬取り締まり、気候変動、人的・文化的交流などの分野で進捗を得たとした。

中国側の発表によれば、米国側参加者は会談実施に感謝した上で、習国家主席の卓越したリーダーシップによる中国経済の発展を評価し、中国の人々の発展の権利は尊重されるべきとの認識を示した。また、米国企業は中国が発表した一連の改革開放を進める措置を評価しており、中国経済の前途は明るいものだとした。

3月28日付の「環球時報」によれば、今回の会見には米国から18人が参加したとされる。同紙は、多くの米国を含むグローバル大企業の責任者は、これまで中国経済に対するネガティブな声に影響されていたとして、今回の習国家主席との会見が中国経済と政策に対する「正確な認識」につながると評した。

同日の「新華網」は、アリソン元院長が中国の政策について理解を深める中で、自身の唱えた「トゥキディデスの罠(わな)」(注)は中国・米国関係において「必然ではない」との認識を示したとことを評価した。

(注)新興勢力の台頭に既存の支配国が危惧を抱き、対立・衝突を招くこと。

(河野円洋)

(中国、米国)

ビジネス短信 4a69fcd6aa1e33dd