ニュージーランドの第4四半期GDP成長率、2期連続で前期比マイナス

(ニュージーランド)

シドニー発

2024年04月09日

ニュージーランド統計局は3月21日、2023年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率が前期比マイナス0.1%(注)だったと発表した。前期(2023年12月21日記事参照)に続き2四半期連続のマイナス成長となり、景気後退(テクニカル・リセッション)に突入した。前年同期比ではマイナス0.3%だった。ニュージーランド統計局は、当期のマイナス成長の主な要因は、卸売業の減少によるものだったと説明した。

需要項目別では、小売・卸売業での流通在庫の減少と、工場、機械・設備などへの投資の減少により、総固定資本形成が前期比8.7%減と落ち込み、GDPの押し下げ要因となった。一方で、財・サービスの輸出が肉類、石炭・原油などの資源を中心に3.2%増加したが、財・サービスの輸入は中間財、資本財、乗用車の輸入減少により2.9%減少した。家計消費支出はサービス支出の増加により0.5%増加した。

産業別でみると、減少率が最も大きかったのは卸売業で、食品・酒類、機械・設備などを中心に前期比1.8%減少した(添付資料表参照)。小売業・宿泊業も0.9%減少した。特に家具・電気製品、食品・飲料サービス、自動車・同部品の販売が減少した。製造業は輸送用機器・機械機器、食品・飲料、非金属鉱物などの生産の落ち込みにより、0.4%減少した。一方、不動産・賃貸サービス(1.0%増)、金融・保険サービス(0.7%増)、専門・科学・技術・管理・ビジネスサービス(0.6%増)、公共・安全サービス(2.8%増)では増加した。公共・安全サービスの増加は、2023年10月に行われた総選挙(2023年11月13日記事参照)の関連活動による効果だったと分析した。

2024年の経済成長率は1.1%とIMFが予測

3月19日に発表したIMFのプレスリリースによると、2024年の実質GDP成長率は1.1%と低水準にとどまると予測した。インフレ率はピークを脱するものの、政府の金融引き締め策の影響が続き、国内需要が抑制される可能性があるため、と分析した。

(注)全て季節調整済みの数字。

(青島春枝)

(ニュージーランド)

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