外資に関する奨励

最終更新日:2023年08月18日

奨励業種

政府が明確に「奨励業種」と指定する産業はなく、全業種の対内投資を歓迎。

各種優遇措置

外資のみを対象とした優遇措置はない。画期的な新技術の開発に向けた助成や研究開発費に対する優遇税制、特定の地域、分野における投資優遇措置は、外資も利用可能。

画期的な新技術の開発に向けた助成

英国政府:Innovate UKによる企業向けイノベーション助成金(Apply for innovation funding外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

Innovate UK外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
英国のイノベーション振興に取り組む科学・イノベーション・技術省の1機関。

研究開発に対する優遇税制

英国:税制」の項目を参照。

特定の地域、分野における援助

地域経済の活性化に寄与する直接投資については、外国企業も、国内企業と同様の援助を英国政府から受けることができる。
各地域に、独自の産業支援基金が創設されている。

  1. イングランドおよび英国全体
    1. 産業振興地域(Enterprise Zones
      産業振興地域内の指定区域で機械、工場などへ投資する場合、投資費用が8年間、課税対象額から100%控除される(enhanced capital allowance:ECA)など、税制上の投資優遇措置が受けられる。効率化された開発許認可制度のある地域もある。
    2. 地域産業パートナーシップ(Local Enterprise Partnership:LEP)

      地域の経済振興を目的とした、自治体と民間企業による共同組織。36あり、企業誘致や支援を目的とした投資優遇制度を用意しているLEPもある。

      LEPネットワーク:About LEPs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

    3. フリーポート(Freeports

      2021年3月3日発表の2021年度予算案の中で発表されたもので、選定された港湾地域では一般の地域と異なる税関規則が適用される。簡素化された通関手続きの下、関税や輸入付加価値税(VAT)、物品税は保税となる。フリーポートで加工などを行う場合は、同区域から英国内市場に移送する最終製品の関税率が適用される。このほか優遇措置として、土地や建物、機械設備の取得費用の控除(投資額の10%を10年間、課税所得から控除。2026年9月30日以前に使用開始した物件が対象)、ビジネスレート(非居住用資産に対する固定資産税)の免除(2026年9月30日までの進出・拡張が対象。免除開始時点から5年間適用)や、フリーポート域内で従業員の国民保険の雇用者負担分の免除(2022年4月から2026年4月まで適用、今後の見直し結果によって2031年4月まで5年間延長する予定)がある。

      選定されたイングランド内のフリーポートは8カ所:イースト・ミッドランズ空港、フェリックストー/ハリッジ、ハンバー、リバプール都市圏、プリマス、ソレント、テムズ、ティーサイド。

      ウェールズは2カ所:アングルシー、ケルティック(タルボット港とミルフォードヘイブン港)。

      スコットランド自治政府は、スコットランド独自の「グリーン・フリーポート」として運営することを決定し、2023年1月13日に、ハイランド地方のインヴァネス・アンド・クロマティ―ファースとファース・オブ・フォース(エジンバラ)の2カ所を最初の「グリーン・フリーポート」として発表した。同政府によれば、「グリーン・フリーポート」は港湾に限らず、鉄道、海上、空港を含む、定められた境界線内にある広大な区域であり、雇用創出、脱炭素化とネットゼロ経済へ移行、グローバルな貿易と投資のハブ機能、革新的な環境の育成を図り、立地した企業は税制やその他の優遇措置の恩恵が受けられるとしている。

      北アイルランドもフリーポート設置に向けて向けて議論を重ねている。

      ジェトロの記事「イングランドに経済特区「フリーポート」8カ所設置を発表(英国)」(2021年3月11日)

    4. インフラ投資銀行(UK Infrastructure Bank:UKIB
      2021年度予算案に基づき、2021年6月17日に財務省によりイングランド北部リーズを本部に設立された銀行。野心的なインフラプロジェクトへの投資促進や温室効果ガス排出削減、地域間格差是正などに資する融資を行う。
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      ジェトロの記事「英国インフラ投資銀行を設立、ネットゼロや地域間格差是正へ貢献(英国)」(2021年6月21日)

  2. スコットランド
    特定の地域において、雇用の創出に直接結び付くような投資事業を奨励する助成金制度(RSA)がある。

    スコットランド開発公社:地域選択支援・概要(Regional Selective Assistance (RSA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  3. ウェールズ

    ウェールズ自治政府が運営し、企業への融資を行うウェールズ開発銀行は、ウェールズに拠点を置く(または拠点設置を計画している)企業に対して、融資・出資を行っている。

    ウェールズ自治政府:ビジネスウェールズ(Business Wales外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  4. 北アイルランド

    北アイルランド開発庁(Invest Northern IrelandInvest NI)などによる、次の企業活動支援制度がある。

    1. 中小企業に対する融資:北アイルランド中小企業融資基金(NI Small Business Loan Fund外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

      民間銀行融資を得られない企業が、起業または事業を進める上で必要とされる資金を融資する基金。

      設立2年未満の事業には最大1万5,000ポンド(継続融資の可能性を含む)、設立2年以上の企業には最大10万ポンドの融資を行う。

    2. 国際市場で活躍できそうなスタートアップ企業への資金援助:北アイルランド開発庁「スタートアップ企業支援プログラム」(Support for start-ups with export potential外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

      同地域のスタートアップ企業で、国際市場で活躍し、成長の可能性のある企業に対して、資金援助などを行う。

その他

特になし。