外資に関する規制

最終更新日:2023年12月20日

規制業種・禁止業種

新しい投資に関する布告(新投資法No.1180/2020)が2020年4月2日に施行された。これに続き、2020年9月2日には、新しい投資規則(No.474/2020)が施行された。この規則の中で、外国投資家に制限がかかる投資分野が定められている。

政府との共同事業に限定する投資分野(投資規則3条)

  1. 武器弾薬の製造
  2. 電気輸出入事業
  3. 国際航空事業
  4. 高速バス事業
  5. クーリエサービス(国際宅配便)を除く郵便事業

国内投資家にのみ開放されている投資分野(投資規則4条)

  1. 銀行業、保険業、小規模金融事業(ただし、資本財リースは除く)
  2. 国内統合高圧電線網を利用した電力の送配電事業
  3. 初期・中等レベルの医療・保健事業(ヘルスサービス)
  4. 卸売業、石油・石油製品、自社国内生産品の卸売(ただし、電子商取引による卸売業は除く)
  5. 小売り業(ただし、電子商取引による小売ならびに自社国内生産品の小売りは除く)
  6. 液化ガスとビチューメンを除く輸入貿易業
  7. 生豆コーヒー、チャット(覚せい作用のある植物)、油料種子、豆類、鉱物、皮革、自然林産物、鶏市場調達した動物を含む家畜の輸出
  8. 第1等級(Grade 1)に達しない建設工事・井戸掘り
  9. 格付け等級に達しない、あらゆる宿泊業
  10. 格付け等級に達しない、あらゆる飲食業、ナイトクラブ、ケータリングサービス
  11. 旅行代理店業、商業代理サービス(Trade Auxiliary Services
  12. 旅行催行業
  13. 機械・機器、車両のオペレーティングリース業(ただし、産業上、特殊な重機や特殊車両は除く)
  14. 輸送業(ただし、鉄道、ケーブルカー、冷凍・冷蔵輸送、25トンを超える輸送、政府や国内投資家との合弁が義務付けられている輸送サービスを除く)
  15. 伝統的な土着の薬品調合業
  16. 国内市場向けのパン、ケーキ(洋菓子)製造業
  17. 製粉業
  18. 理容・美容業、鍛冶業、縫製工場によるものを除く服飾仕立て業
  19. 維持管理・修理業(航空機のものを含む。ただし、重工業機械と医療機器は除く)
  20. 航空産業の地上付帯業務(グランドサービス)
  21. 製材業、半完成木材製品の組立業
  22. メディアサービス
  23. 通関業
  24. レンガ製造業
  25. 採石業
  26. 富くじ・スポーツ賭博業
  27. 洗濯サービス業(ただし、大規模なものは除く)
  28. 通訳・翻訳業、秘書業務
  29. 警備サービス業
  30. 仲介・周旋業
  31. 弁護士業・法務コンサルタント業
  32. 雇用仲介業(ただし、船員など高い専門性や国際経験が必要な分野の仲介は除く)

国内投資家との共同事業に限定する投資分野(投資規則5条)

  1. フォワーディング業務、船会社代理店業
  2. 国内航空輸送サービス業
  3. 座席数45席超のバスを使う外国との公共交通業
  4. 輸送力の大きな規模での都市公共交通サービス業
  5. 映像・音声ソフトの製造・流通にかかる業務
  6. 会計・監査業

出資比率

共同事業に限定される投資分野以外は、外国資本100%の会社設立が認められる。政府との共同事業に限定される分野については、具体的な出資比率の定めはない。国内投資家との共同事業に限定される分野については、外国投資家の出資比率は49%までとの定めがある。

外国企業の土地所有の可否

憲法により土地は、国家ならびに州、エチオピア国民に属するものとされるため、外国企業による土地所有は不可。「市街地リース法(2011年): Urban Land Lease Proclamation」により最大99年の借地が可能。借地にあたっては、当該行政機関との間で土地リース契約を締結し、借地証を取得する。
住宅保有は、最低1,000万ドルの投資をした場合に認められる(投資規則17条)。

憲法により土地は、国家ならびに州、エチオピア国民に属するものとされるため、外国企業による土地所有はできない。1991年以来、土地所有権法により、農民には売買、担保の目的以外の生涯借地権が与えられている。
土地居住者は合意により、99年間の居住権が与えられる。
付与された時と異なる目的での土地使用、貸借、贈与、相続は禁止。土地の譲渡は認められず、農地の再分配はほとんど行われない。
そのため、連邦政府は国内外投資家に免税、その他の奨励策を提供している。

外国企業は、「市街地リース法(2011年)」により15~99年の借地が可能。土地は国有のため、抵当権は設定できず、売買もできない。しかし、借地の上の建設物などの固定資産は抵当権設定も売買も可能。借地にあたっては、まずエチオピア投資委員会(EIC)から投資許可証を取得の上、その土地が所属する各地方行政が定める規則に従って、当該政府とリース契約を締結し、借地証(Lease Holding Certificate)を取得する必要がある。

資本金に関する規制

国外投資家の場合、最低資本金は20万ドル。国内投資家との合弁の場合は同15万ドル。設計・エンジニアリング、技術コンサルタント、性能試験・分析評価、媒体発行業務については、国外投資家の場合、最低資本金10万ドル、国内投資家との合弁は同5万ドル(投資法No.1180/2020、第9条)。

国内投資家とは、エチオピア国籍のみならず、在外エチオピア人ならびに在外エチオピア人が100%出資する法人を含むもので、エチオピア国籍の企業と同等にみなされるものと解される。なお、この場合、法人として外貨口座は持てないが、在外エチオピア人の個人としてはディアスポラ口座を持ち、外貨を持つことができる。

その他規制

特になし。