外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2023年07月19日

外国人就業規制

居住労働許可書の申請取得が必要。経営管理職、子会社従業員、関係会社間の派遣労働者など、いくつかの労働許可書のタイプがある。居住労働許可書を取得する本人の家族の居住許可書(労働不可)を申請する際、子女が18歳以上の場合は、扶養家族としてではなく、個別の申請が必要となる。

在留許可

短期出張の場合、EU諸国への入国日より90日以内であれば、EU域内での労働対価報酬の授受が一切ないことを前提に、原則として申請の必要はない。ただし、現地でのサービス、工場のラインなどに直接関わる労働を行う場合などには、短期労働居住許可の取得が必要。
駐在の場合には申請が必要。関連規定が毎年部分的に改正されており、申請準備の前に、当局へ確認することが望ましい。

居住労働許可申請の基本的な流れは、次のとおり。

  1. 申請者側
    赴任者が勤務予定の現地企業(経営管理職・子会社従業員許可書の場合)、あるいは派遣側本社の代理人(派遣労働者用許可書の場合)は、スペインの担当局(企業が所在する県の労働省移民局または政府代表部)に、居住労働許可の申請書類(申請書、子会社と駐在員の雇用契約、駐在員の学歴・職歴などのデータ、旅券のコピーなど)を提出する。
    ただし、年度途中であっても、頻繁な改訂・改正が行われているため、申請の際には、管轄当局への確認が望ましい。
  2. スペイン当局側
    申請を受理した後、手続きを開始する。申請企業には申請控え書が渡され、NEV(ビザ連絡番号)が記入された通達が郵送される。審査期間は2週間から最大3カ月程度。
  3. 申請者側
    1. 当該企業は、赴任者に通達のコピー、子会社と駐在員の雇用契約に当局が捺印したものを送付する。
    2. 赴任者は、在日スペイン大使館で入国ビザを申請する。その際、無犯罪証明書や健康診断書などの添付が必要である。
  4. スペイン当局側
    1. 在日スペイン大使館は、入国ビザの申請を受理した後、スペイン外務省にその旨を通達する。
      同外務省は労働当局に対し、当該赴任者の労働許可申請を確認する。
    2. 労働当局が労働許可申請を認可したら、その旨をスペイン外務省、当該現地企業、警察当局に通知する。
      現地企業が労働許可認可の通知を受け取れば、労働当局の手続きは終了。警察当局が居住許可の手続きを開始する。
    3. スペイン外務省は、前項手続きを受けて入国ビザを認可し、在日スペイン大使館に通知する。
      在日スペイン大使館が入国ビザを交付する。
  5. 申請者側
    1. 赴任者は、在日スペイン大使館において入国ビザを取得する。
    2. 赴任者がスペインへ入国する。
    3. 赴任者は、直ちに社会保障局に登録すると、法律上働くことが可能となる。
    4. 赴任者は、通常、入国から1カ月以内に現地の警察当局に出頭し、居住労働許可書の発行を申請する(持参すべき必要書類を事前に要確認)。
      なお、出頭日については、当局ウェブサイト、電話またはFAXで、事前にアポイントを取り付けるシステムになっている。
  6. スペイン当局側
    警察当局が赴任者に対し、出頭要請通知(持参すべき必要書類が明記された)を送付する。
  7. 申請者
    赴任者は、警察当局の通知を受け、必要書類を持参して警察当局に出頭する。
    警察当局による書類確認を経て、赴任者が署名捺印する。
    指定された期日(約30日後)以降、再度警察当局に出頭し、居住労働許可カードを取得する。

※外国人労働許可発給の迅速化
これまで、労働居住許可の申請から取得までに実質6カ月程度を要するケースがあるなど、手続きにかかる時間とコストが問題にされることが多かった。
労働省は2011年4月30日付勅令557/2011により、一定要件を満たした企業に対しては、外国人労働許可の迅速な発給を図っている。要件は次のとおり。

  1. スペイン国内の雇用者数が500名以上。
  2. 売上高2億ユーロ以上、あるいは純資産1億ユーロ超。
  3. 直近3年間における国外からの平均投資額が100万ユーロ以上。
  4. 中小企業の場合、IT、通信、再生可能エネルギー、環境、水処理、医薬化学、バイオ農業、バイオ技術、航空宇宙分野の企業。

進出日系企業については、これらの要件を必ずしも満たさない場合でも、本規定による労働ビザ発給期間短縮の対象になるケースがある。
このため、労働ビザ申請にあたっては、事前に赴任先の現地企業を通じて担当当局(労働・移民・社会保障省 移民局 大企業担当)に確認することが望ましい。
さらに、対内投資誘致の観点から、起業・企業国際化法(法14/2013)により投資家、起業家、高度な職能を有する労働者、研究者および企業内派遣(転勤)のための査証・居住労働許可手続きは、大企業担当窓口で受付を一本化し、手続きの迅速化と簡素化を図っている。対象者は、スペインに出張した時点で居住労働許可を申請し、査証申請手続きを省略することが可能である。

問い合わせ先
労働・移民・社会保障省 移民局 大企業・戦略的グループ担当(Unidad de Grandes Empresas y Colectivos Estrategicos, Secretaria General de Inmigracion y Emigracion, Ministerio de Trabajo, Migraciones y Seguridad Social
所在地:Plaza Remonta, 8 28039 Madrid
Tel:+34-91-363-3275
Fax:+34-91-363-3267
E-mail:movilidad.internacional@inclusion.gob.es
ポータルサイト:UGE-CE(Unidad de Grandes Empresas y Colectivos Estrategicos)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

現地人の雇用義務

法制上の義務付けはないが、自治州から勧告を受ける場合がある。

現地人の雇用に関して、法制上の義務付けはないが、外国人比率が多い企業の場合には、法人が所在する自治体当局から指導を受ける場合がある。特に、現地人でも就労可能なポストを新たに設置し、そのポストに外国人を雇用する場合には注意が必要。

その他

特になし。