外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用

最終更新日:2023年11月28日

外国人就業規制

就労許可証(Work Permit)の取得義務以外にはない。

在留許可

在留許可取得には、ほとんどのケースで、事前に、就労許可証を取得することが必要。

概要

外国人がカナダ国内で就業するには、外交官の公用赴任などの特殊な場合や一部の特殊な職業(注)などを除き、事前に、就労許可証を取得しておくことが必要。
日本企業の海外駐在員の場合、書類審査のみで許可証が発行される。詳細は、次のウェブサイトを参照。

移民・難民・市民権省:カナダでの就労 "Work in Canada外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

なお、カナダへのビジネス出張者については、就労許可証の取得は不要で6カ月滞在可能だが、2016年3月15日から電子渡航認証(eTA)の取得が義務化された。eTAについては、次のウェブページを参照。

移民・難民・市民権省:電子渡航認証(eTA) "Electronic Travel Authorization (eTA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

(注)外国籍のトラックやバスの運転手、貨物船や飛行機の乗組員、国際会議運営者、アーティストといった特殊な職業では、就労許可証は不要。

就労許可証(企業の海外駐在員)

日本からの海外駐在員(企業内転勤者=Intra corporate transferees)の場合、TPP11(CPTPP)により、最初の申請で最長3年の就労許可証(WP)が取得可能で、延長もできる。経営責任者(executives)、管理職(managers)、専門職(specialists)の職種が、企業内転勤者として認められる。なお、企業内転勤者として査証申請する際には、申請前の3年間のうち1年間、当該企業の経営者もしくは従業員である必要がある。
この他、TPP11では、投資家(investors)や専門家(professionals and technicians)枠による就労許可も設けられており、在留許可期間は最初の申請で最長1年取得可能で、延長もできる。

一部の職業では、健康診断が義務付けられている。詳細は、次のウェブサイトを参照。
移民・難民・市民権省:訪問者、学生、就労者向けの健康診断 "Medical exams for visitors, students and workers外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

特別プログラム(International Experience Canada:ワーキングホリデー、留学生の就労など)では、ビザ取得に係る要件は異なる。

移民の受け入れ制度

カナダ政府は2015年1月1日より、一定のスキルを有する移民希望者に、カナダでの永住権を付与するための一連の制度であるエクスプレス・エントリー(Express Entry)というプログラムを開始した。
移民・難民・市民権省:エクスプレス・エントリーによる移民 "Immigrate through Express Entry外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

この他に、ビジネス移民プログラム(Business Immigration Program)の一環として、一定基準を満たすスタートアップ(Start-up)を移民として受け入れる制度もある。
移民・難民・市民権省:ビジネス移民プログラム "Business immigration programs外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

ケベック州には、独自のビジネス移民プログラムとして、投資家(Investor)、起業家(Entrepreneur)、自営業者(Self employed)を移民として受け入れる制度もある。
ケベック州政府:ケベック州に移住してビジネスを行う "Immigrate to Québec to do business外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

スタートアップ・ビザ(永住権)

カナダでビジネスを成功させる可能性のある起業家をターゲットとした移民プログラムで、ビジネスアイディアが[1]革新的、[2]カナダ人の雇用を創出可能、[3]世界的な競争優位性があるものが対象となる。
当局ウェブサイトによれば、2023年11月時点で審査に37カ月を要するとされているが、ビザ申請と同時に一時就労許可証(最長1年間)の申請が可能で、その審査期間は2週間といわれている。
ビザ申請の条件は、次のとおり。

  1. 事業運営関連
    • 指定組織(後述)からの支援確約時に、申請者が企業の発行済み株式に付与されている議決権の10%以上を保有し、かつ申請者と指定組織で総議決権の50%以上を共同で保有していること。
    • 永住権取得時には、カナダ国内で事業管理および主要な事業運営を行い、法人化していること。
  2. 指定組織からのサポート・レター
    • ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、ビジネス・インキュベーターなど、連邦政府に指定された組織からの支援を約束する書面(Support Letter)を有していること。
  3. 言語要件
    • カナダの公用語である英語もしくはフランス語の言語能力試験(CELPIP、IELTS、TEF)でリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングのすべてにおいて、カナダ言語ベンチマーク(CLB)の5以上に達していること。
  4. 定住資金
    • カナダに到着後、生活するのに十分な資金を有していること(1人の場合、2023年時点で1万3,757カナダ・ドル)。

移民・難民・市民権省:スタートアップ・ビザ・プログラム "Start-up Visa Program外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

なお、こうした制度については、頻繁に変更されるので、常に、最新情報を確認することが必要である。

移民・難民・市民権省:

法務省:移民・難民保護法 "Immigration and Refugee Protection Act外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます"

現地人の雇用義務

なし。ただし、現地人を、外国人臨時就労者よりも優先して雇用する必要がある。

カナダにおける求人では、カナダ市民権保持者や永住権取得者を優先して雇用する必要があり、求める職種に対して、こうした現地人による人材確保が難しい場合にのみ、日本人を含めた外国人臨時就労者の雇用が認められている。外国人臨時就労者を雇用する場合には、カナダ人の労働市場に悪影響を及ぼさないことを示す労働市場影響評価(Labour Market Impact Assessment:LMIA)が求められる。

その他

特になし。

(データ確認日:2023年11月28日)