ジェトロ対日投資報告2023
第2章 日本の対内直接投資動向
第3節 業種別対日投資動向

1. フロー

2022年における業種別対日直接投資額を親子関係原則で見ると、全体で前年比14.8%増の4.3兆円となり過去最多を更新した。大業種別にみると、製造業では2021年の大幅増(2020年比597.4%増)の反動から1.6兆円(2021年比8.7%減、全体の38.5%)と鈍化したのに対して、非製造業では顕著な伸びを示し2.6兆円(2021年比36.8%増、全体の61.5%) となった(図表2-7)。詳細業種を見ると、金融・保険業が前年比2.2%減となったものの1.2兆円と最も多く、次いで、運輸業0.7兆円(前年比232.0%増)となった。また、順位3位となった電気機械器具(前期比80.9%増)では、韓国EVバッテリー素材メーカーの日本法人設立案件などがある (図表2-8) 。

図表2-7 2022年における対日直接投資額(フロー、業種別)
2022年におけるフローベースの対日直接投資額は4.3兆円、うち非製造業は、2.6兆円で全体の61.5%、製造業は1.6兆円で全体の38.5%。

〔注〕国・地域別の統計(資産負債原則)とは計上原則が異なる(親子関係原則)。
〔出所〕「本邦対外資産負債残高」(財務省、日本銀行)から作成

図表2-8 2022年における対日直接投資額(上位10業種)(単位:億円、%)
順位 業種 2022年 2022年 伸び率(前年比)
1 金融・保険業 11,649 -2.2
2 運輸業 7,305 232.0
3 電気機械器具 5,049 80.9
4 鉄・非鉄・金属 3,699 4,592.7
5 化学・医薬 3,533 -77.7
6 通信業 3,193 2.5
7 輸送機械器具 3,100
8 サ-ビス業 1,675 118.1
9 一般機械器具 734
10 卸売・小売業 624
建設業 -52
石油 -186
  1. 〔注〕

    (1)親子関係原則(2)業種によっては引揚超過の業種がある。
    表中の*は、2021年の投資額が引揚超過によりマイナスのため表示対象外としている。

  2. 〔出所〕

    「国際収支統計」(財務省、日本銀行)から作成

2. 残高

2022年末の業種別の対日直接投資残高(親子関係原則)は、全体で前年比8.6%増の29.9兆円であった。残高を大業種で見ると、製造業が10.2兆円(前期比9.2%増、全体の34.1%)、非製造業が19.7兆円(同8.2%増、同65.9%)であった(図表2-9)。詳細業種を見ると、金融・保険業が、前年比7.0%増の11.8兆円(全体の39.4%)となり、最大だった。次いで、輸送機械器具が、前年比8.5%増の3.1兆円(同10.3%)であった。前年比伸び率が顕著だったのは、鉄・非鉄・金属の0.5兆円(前期比358.2%増)、運輸業1.2兆円(同148.7%増)であった(図表2-10) 。一方で、卸売・小売業は前年比76.3%減の0.1兆円(全体の0.4%)であった。

図表2-9 2022年末対日直接投資残高(業種別)
2022年末における親子関係原則による対日直接投資残高は29.9兆円、うち非製造業は、19.7兆円で全体の65.9%、製造業は10.2兆円で全体の34.1%。

[出所]「本邦対外資産負債残高」(財務省、日本銀行)から作成

図表2-10 2022年末対日投資直接残高(上位10業種)(単位:億円、%)
順位 業種 残高 前年比伸び率 構成比
1 金融・保険業 117,784 7.0 39.4
2 輸送機械器具 30,730 8.5 10.3
3 化学・医薬 29,020 -10.2 9.7
4 通信業 22,816 -2.7 7.6
5 電気機械器具 22,305 34.3 7.5
6 サービス業 16,366 17.0 5.5
7 運輸業 12,391 148.7 4.1
8 一般機械器具 5,849 -1.9 2.0
9 不動産業 4,752 4.0 1.6
10 鉄・非鉄・金属 4,623 358.2 1.5
その他 32,312 -5.3 10.8
合計 298,950 8.6 100.0

2023年版目次

  1. 第1章
  2. 第2章
  3. 第3章

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