ジェトロ対日投資報告2023
第3章 最近の政府施策
第7節 ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業

第4世代移動通信システム4G規格と比べて、より高速・大容量の通信が実現できる第5世代移動通信システム5G規格は、現在各国にて通信端末での商用サービスの普及が進展している。その一方で、データ伝送の超低遅延、通信端末の多数同時接続といった機能がより一層強化された5G(以下、「ポスト5G」)は、自動車の自動運転、工場のスマート化、医療・ヘルスケアといった多種多様な産業用途への技術の活用が見込まれている。

こうしたポスト5Gの技術はデジタル社会と脱炭素化の両立に不可欠なものも含まれており、日本の産業競争力強化をめぐるコア・テクノロジーとして、その重要性が認められ、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、2020年度からの事業期間において総額で7,950億円の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」を設定し、中核となる技術の研究開発を後押しするため、事業の委託や助成金の交付を行っている。特に、ポスト5G情報通信システムや当該システムで用いられる半導体を開発するとともに、ポスト5Gで必要となる先端半導体の製造技術の開発に取り組む。​

図表3-7 ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業
研究項目 支援対象となる研究開発内容
ポスト5G情報通信システムの開発(委託、助成)
  • ポスト5Gで求められる性能を実現する上で、特に重要なシステム及び当該システムで用いられる半導体やエッジデバイス等の関連技術の開発
先端半導体製造技術の開発(助成、委託)
  • パイロットラインの構築等を通じた、国内にない先端性を持つロジック半導体の前工程・後工程製造技術の開発(助成)
  • 先端半導体のシステム設計技術や、製造に必要な実装技術や微細化関連技術等の日本に優位性のある基盤技術等の開発(委託、助成)
先導研究(委託、助成) 上記2項目の研究開発項目に関係するものであって、ポスト5Gでは実用化に至らない可能性があるものの、ポスト5Gの後半から5Gの次の通信世代にかけて有望と考えられる技術課題についての先導的な研究開発

2023年版目次

  1. 第1章
  2. 第2章
  3. 第3章

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